iPhone、近鉄百貨店…消費税不正を追え

新連載 第3回

市田 隆 朝日新聞記者

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制度を悪用する犯罪者グループの存在が見え隠れ

 大阪湾の沖合に浮かぶ海上空港の関西国際空港。車で連絡橋を渡った後、第一ターミナルビルや駅を左側に見ながら直進すると、その先に「1期国際貨物地区」が見えてくる。同地区は、15の貨物専用スポットと貨物を一時保管する上屋が多数立ち並ぶ広大な区域だ。自由に出入りできないセキュリティ・エリアとなっており、一時立ち入りするには事前申請が必要なため、入口ゲートでチェックを受ける。

 大阪税関が管轄する大阪、京都の2府、福井、富山、石川、滋賀、奈良、和歌山の6県、神戸税関が管轄する兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、徳島、香川、愛媛、高知の9県から出されたすべての国際貨物が、関空に集まってくる。関西空港税関支署によると、2024年の輸出量は約23万7000トン、輸入量は約28万6000トン、輸出額は約6兆8114億円、輸入額は約4兆6534億円。関空は、国内では成田空港に次ぐ規模で外国貨物を取り扱う、西日本最大の貿易拠点だ。

関空の国際貨物地区 Ⓒ時事通信

 2025年7月ごろ、この国際貨物地区で奇妙な貨物が見つかった。輸出される貨物のすべてはX線検査装置でチェックされる。大阪税関の検査スポットでは、コンベヤーに載せられた様々な貨物が流され、中型、小型のX線検査装置を通っていく。税関職員がバーコードで通関書類を読み取りながらX線画像をチェックしていると、ある段ボール箱に違和感を抱いた。通常と違う見え方をしたという。計6個ある段ボール箱の中身は、アップル社のスマートフォン「iPhone」約200台となっている。香港向けの輸出品だ。

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source : 文藝春秋 2026年9月号

genre : ニュース 社会 国際