出会いから13年、国税関係者で知らない者はいない“名物スクープ記者”市田隆さんの連載がスタート

vol.169

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「文藝春秋」の編集者が明かす、電子版限定の“ここだけの話”

 7月号から朝日新聞記者・市田隆さんによる短期集中連載「国税が暴いた関西“闇”マネー」が始まりました。市田さんといえば、読売新聞にいた頃から国税庁を担当し、いまや国税関係者で知らない者はいない“名物スクープ記者”です。初めて会ったときから、もう13年ほどになるでしょうか。ようやく原稿を書いてもらうことができました。

国税庁 ©Nobuyuki_Yoshikawa/イメージマート

 読売で市田さんの先輩記者だったノンフィクション作家の清武英利さんが、本誌連載の「記者は天国に行けない」の第32回「曲がり角の決断」(2024年9月号)でこう書いています。

〈市田は入社5年目の1992年に読売社会部に配属され、検察、公正取引委員会、国税庁などを担当した。東京社会部の本流にいて、将来の社会部長候補でもあった。特ダネ記者の多くが取っつきにくかったり、マッチョ系であったりするのに対し、彼は温順磊落なお人好し、時に「社会部のジャニーズ」と呼ばれ、軟弱にさえ見える文学好きな異才で、女性記者にも慕われていた。

 ところが、ふにゃふにゃした笑顔のこの男は、内側に頑固な芯を持っていて、イラク戦争をめぐる読売新聞の報道のあり方に異議を唱え、辞表を提出して、朝日新聞社会部に転職していった。39歳のころだった。社論そのものに抵抗したのではなく、「社論を押し付けるような編集局の報道統制はおかしい」と唱えたのである〉

 2003年3月、「イラクに大量破壊兵器がある」としてブッシュ米大統領がイラクへの攻撃を開始。読売新聞は社説でイラク戦争支持を打ち出しました。すると市田さんはデスクからこう言われたそうです。「反米、反ブッシュ」のような言葉を原稿に使うのは控えてほしい――。

「事実をそのまま伝えるのが社会面の記事でしょう!」と反発した市田さんは読売を辞めてしまったのです。

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