悠仁さまへの皇位継承に向けて準備するべきこととは
「原爆の日」の翌日、8月7日の広島。爆心地周辺に設けられた平和記念公園に、一人の若き成年皇族が、厳粛な面持ちで足を踏み入れられた。原爆の犠牲者を悼む広島平和都市記念碑に、そっと花束を供えられたのは、秋篠宮の長男で筑波大学生命環境学群生物学類の2年生になられた、悠仁さまである。
供花に同行した広島市長、松井一實が振り返る。
「私から平和記念公園の成り立ちや記念碑についてご説明申し上げたところ、真摯な面持ちで、一言一句を噛みしめられるように耳を傾けてくださいました。ご供花の際は、花束を大変丁寧に手向けられ、深く頭を下げられるご様子が印象的でした。そのご様子が報道を通じて全国に広く発信されたことは、世界恒久平和を願う『ヒロシマの心』を次世代へ継承していく上でも、極めて意義深いと感じています」
こうして戦争の記憶を継承しようとなさる姿勢からは、次世代を担う成年皇族としての自覚が滲む。

遡ること20年前の9月6日。当時の皇太子家に男子が生まれず、皇位継承が危ぶまれる中で悠仁さまは誕生された。男子のご誕生は、時の政府が推進していた女性・女系天皇容認への議論を立ち消えさせた。
ただ、悠仁さまが成長された今になって、女性天皇に期待する声が高まっている。
その最たる理由は、皇族数が減少している今、男性だけで皇位を継承していくのは現実的ではないというものだ。そしてもう一つ、性別にかかわらず皇位は直系長子が継承していくのが自然だという意識の広がりもあるだろう。昨今、急速に高まる愛子さま人気からは、ご本人のお人柄への信頼感に加え、「天皇陛下のなさりようを間近でご覧になっている直系の愛子さまならば、国民が敬愛する天皇像を受け継いでくださるはずだ」という国民の期待も滲む。
一方、こうした意識の奥底に、秋篠宮家に対して国民が抱く漠然とした不安が混在していることは否めない事実である。
小室眞子さんの結婚をめぐる約4年間にもわたる騒動は、国民が秋篠宮家を見る目を大きく変えた。同時に、皇位継承順位第1位の秋篠宮は天皇の弟、第2位の悠仁さまは天皇の甥にあたる。皇位が父から子への“直系”ではなく、兄から弟や甥への“傍系”継承となることに対する、国民の戸惑いもあるのではないか。
それも無理はない。“傍系”による皇位継承は、歴史的な転換点となるからだ。
これまで皇位は、1780年に閑院宮家から即位した光格天皇以降、現在の天皇に至るまで、およそ250年にわたって、父から子という直系で継承されてきた。つまり、いずれ来る秋篠宮家への皇位継承は、250年余りの歳月を経て、皇位が傍系に移ることになるのだ。
「天皇になる」というご覚悟
実は、秋篠宮は折に触れ、周囲にこう語ってこられたという。
「自分は天皇たるべき教育を受けていない。天皇たるべき人は、幼い頃からそういう教育を受けていないと駄目なんだ」
自由な次男坊として育ってこられた秋篠宮。その強烈な自意識は、皇位が直系で継承されていた時代には次男としての当然の弁えだった。だが、現在の天皇家に男子が生まれなかったことで、秋篠宮は思いがけず皇位の襷をつなぐ立場になられた。
上皇に近い人物はかつて、本誌記者にこう語ったことがある。
「悠仁さまの『将来は天皇になる』というご覚悟や使命感を、秋篠宮さまは育てることができるのだろうか。美智子さまも、悠仁さまの天皇教育について非常に心配しておられる」
想定されていなかった傍系継承。秋篠宮は悠仁さまに、国民に理解され、共感される象徴天皇像を引き継ぐことができるのか。上皇が退位まで全身全霊をもって象徴天皇像を築いてこられたからこそ、それを間近で見てきた人々の間に、不安が漂い続けている。
おもちゃの金魚が本物に
もちろん秋篠宮は、悠仁さまの教育に心を砕いてこられた。秋篠宮の20年間の悠仁さま教育を丹念に辿ると、前半期と後半期で、二つの特色が見えてくる。子どもの自主性を重んじ、自然な形で関心の芽を育てられた前半期。そして、フィールドワークを通じて日本という国のかたちを捉えてもらおうとなさった後半期だ。
悠仁さま誕生の翌年である2007年から約9年間にわたって秋篠宮家の御用掛を務めた、元国土庁事務次官の近藤茂夫が語る。
「幼少期の悠仁さまが親しまれたことの一つに、畑仕事があります。秋篠宮邸の一画にある畑で、悠仁さまは何を植えるかを私と相談しながらご自身で決め、自ら種をまかれました。茄子、トマト、きゅうり、ピーマン、ソラマメ、ジャガイモ、サツマイモ……。あらゆるものを作っておられました」

悠仁さまは「サツマイモはヒルガオ科」という知識を披露され、近藤を驚かせた。雑草とりや水やりといった畑仕事を終えると、近藤や他の職員たちと、鬼ごっこや縄跳びに興じられた。実りの季節、とくにジャガイモやサツマイモの収穫時には生き生きとされていたという。
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