「コロナ禍によって、すべてがリスクになった」日本生命がグループ存続のために選択した変革と、必要だった“パズルのピース”とは〈PR〉

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「コロナ禍によって、すべてがリスクになった」日本生命がグループ存続のために選択した変革と、必要だった“パズルのピース”とは〈PR〉

 

創業以来、本業を通じたサステナビリティ経営を実践してきた日本生命。社会課題解決に貢献する新たな取り組みがはじまる。

社会課題の解決が企業としての持続性に

佐藤和夫氏
日本生命保険相互会社
取締役専務執行役員

 今年度からスタートした「新中期経営計画2024―2026」。今回、中期経営計画のつくり方を変えました。いま起きている経営環境の変化があまりに大きく、それに対応するためには3年先の議論では不十分なのです。

 もう少し先、たとえば10年以上先にどのような経営環境の変化が起こり得るのか、それに対してわれわれはどうアジャストするのか、まずそれを議論しようということにしたのです。

 目標を2035年に設定しました。少子高齢化が進み、高齢者が3人に1人という社会で、国内の生命保険を生業とするわれわれはどう成長していくか。そのときどういう企業グループになりたいのか。みんなで議論し、合意したうえで、じゃあそれを実現するために直近の3年間で何をするのかを決めました。

 日本生命は、国内に集中し、営業職員というチャネルを通じて保険を販売することで、利益を上げてきました。しかし、新型コロナによって営業職員がお客様との接点を持ちにくくなったことから、すべてがリスクになってしまいました。われわれの強みだと思っていたものが、実はそうではなかった。もう一度、そこから見直さなければいけない。それが今回の「中計」をつくる際の前提でした。

 不確実性の高い事業環境の中で、グループが存続していくためには、サステナビリティ経営のさらなる高度化が必要です。社会課題解決への貢献に取り組むことで、会社自体の持続性も高まります。では日本生命が取り組むべきサステナビリティは何かというと、生活を営む「人」、人が生まれ育ち生活する「地域社会」、そしてそれを支える「地球環境」。この三つを主要なテーマとして重点的に取り組もうと決めました。そして、「誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会」をめざすというコミットメントをつくったのです。

「健康」「長寿」「子育て」新たなニーズへの挑戦

 お客様の人生で、「保険」という経済的保障をする商品がカバーできるのはほんの一部でしかありません。お客様のニーズは、保険だけではカバーできないところへ広がっており、「健康」「長寿」「子育て」が、お客様のいちばん重要なニーズだと思っています。

 保険以外の事業を拡大することで、お客様の人生をより広くカバーし、安心をお届けすることができます。われわれが長期的にめざす企業像は、生命保険を中心にアセットマネジメント・ヘルスケア・介護・保育などさまざまな安心を提供する“安心の多面体”としての企業グループなのです。

日本生命グループが長期的にめざす「安心の多面体」
生命保険事業を主軸にしてアセットマネジメント・ヘルスケア・介護・保育等の事業を拡げ、それらを融合・進化させることで、お客様の生涯にわたる、より幅広い「安心」を提供します。

 2024年6月に、介護事業や医療事務代行事業を手がけるニチイホールディングスを買収しました。それは介護や医療、保育をカバーするうえで、パズルのピースとして適切だと考えたからです。地域のインフラ企業として機能を発揮してもらって、営業職員がコンシェルジュ的な受け皿となって、適時適切にお客様が困っていることに応えられる体制をつくる。そして、それを利用するお客様が結果的に主力である保険ビジネスと結びつく。そういうかたちを考えています。

 日本生命は、社会のためにどう貢献していくかが問われている会社です。全国に1千万人以上いる契約者の方たちにどうやってベネフィットを供給するか。単純に経済的な利益だけではなく、そのお客様が困っていることを解決することで、ニッセイに入っていてよかった、と思ってもらえるグループをめざします。

photo(portrait):Miki Fukano
design:Better Days

source : 文藝春秋 2025年1月号