「マンションの頭金は男性側が支払ってくれるのが必須」
経済面では、「マンションの頭金の180万元~250万元(3600万~5000万円)は男性側が支払ってくれているのは必須。その後の支払いは二人でローンで返すのもあり、だけど、全部男性側が買い取ってくれていればなおさら良い」「1LDKの小さな部屋でない限り、北京の家は80~95平方メートル以上の大きさが普通で、その場合、価格は450万元~550万元(9000万~1億1000万円)が一般的」という。
結婚観を聞くと、「結婚は自分が幸せと感じるためにするもの。そして、幸せというのはお金があるということ」と言い切る。「別にブランド物ばかり買って贅沢三昧の生活がしたいという意味ではなくて、世界旅行ができて、ヒルトンホテルに泊まったりできる、そういう生活をしたいの」という。ヒルトンに滞在する世界旅行ができる生活が彼女の理想のようだ。
「お見合いはまず、学歴と経済条件をクリアしたら次のステップに行く。次は話が合うかどうかが問題だけど、前回、親の知り合いの紹介で会った四川省出身の男性は学歴は博士号を持ち、北京の海淀区の戸籍も持っていて良かったのだけど、『緻密な利己主義』タイプで自分のことしか考えない人だったので別れた」という。
何でも北京ユニバーサルスタジオの半年パスを買って一緒に遊びに行こうという話になったが、彼は自分の分しかパスを買っていなかったのに失望したのが別れた直接の原因という。割り勘で負担するのは構わないが、彼女のパスの購入に無関心だったことにがっかりしたという。いかにも、合弁会社設立交渉の決裂を彷彿とさせる「別れ話」だ。愛とも恋とも異次元な付き合いに一抹の不安を感じるのは筆者だけだろうか。
「旦那のスマホのパスワードは教えてもらう」
もう一つFさんがはっきり言い切ったのが、「結婚したら夫のスマホのパスワードを教えてもらうのは当然」「結婚は契約ですから」という。自分も異性の友達はいるので、旦那にも異性の友人がいるのは構わない、連絡先を削除するような横暴なことはしないが、一応、パスワードは知らせてほしいという。
これには驚いた。彼女が迷うようすもなく、「当然」というのだから、彼女の周りでもそういう友人が多いのだろう。中国の男女の間にはどんな秘密もご法度で、夫婦やパートナーの間にプライバシーは不要という基準が一部では「当たり前」とされているようだ。この点は、中国独特のプライバシー感覚と近頃の男女関係文化に根差しているようだ。