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 そして、予定通りにもし35歳までに子どもが生まれたら「親に見てもらう」という。それが周りの友人たちの間でも一般的らしい。筆者が「親にお願いするの?」と再確認したところ、Fさんは少し考えた後「お金持ちは子育て専用のお手伝いさんを頼む人もいるけど」と親以外の選択肢についても補足した。筆者が想定していた若夫婦だけで1人の子どもの面倒をみるという選択肢は彼らの世代の頭の中にはないようだ。

子どもを2人連れて歩くだけで褒められることも

 とはいえ、こう考えているのはおそらくFさんだけではない。そういえば、筆者も十数年前に、1人で2人の子どもを連れて幼稚園や小学校に送迎している際、エレベーターの中で、同じマンションの住人の見知らぬおじいさんに「あんたは偉い!」と突然しみじみと褒められたことがある。これも、今思えば、中国では1人の子どもに対し、大人複数で面倒をみるのが当然になっている。この常識に照らし合わせると日本のお母さんは本当に「偉い」と映るのだろう。

 Fさんと子どもについて話題が及ぶと、「子どもはできれば、有名校の集中する北京市海淀区で進学させ、大学は自由な雰囲気のある海外に進ませたい」と希望を語る。一方で、現実にはゼロコロナの厳しい外出制限などの影響で、人に会いにくい状況が長引く中、なかなか良い人は現れない。

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 日本で8年も独立した生活をこなし、「日本の男性も優しくしてくれた」と振り返る明るくテキパキとしたFさん。しかし、完璧な「条件」を求める彼女に、果たして息の合う素敵な「人」は登場するのだろうか?(前編を読む

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