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不正の証拠となる「変更履歴」

「週刊文春」はマクドナルド友部店の従業員の勤務時間の「変更履歴」を入手。それを確認すると、X氏が定期的に従業員の勤務時間を数分から1時間程度“短く”書き換えていることがわかる。一方、X氏の妻は逆に、出勤時間を早く、退勤時間を遅くするよう変更されていた。

X氏によって「退勤日時」が減らされている

 日本マクドナルドの関係者が明かす。

「Xは社内調査で不正を認めました。最終的に確認されたのは、従業員38人分の勤務時間を給料換算で21万5340円分少なく修正し、逆に妻の勤務時間を1万9747円分多く修正していたこと。ア社はXを減給処分とし、他店舗へ異動させることで幕引きを図りました」

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 労働問題に詳しい旬報法律事務所の佐々木亮弁護士が解説する。

「勤務時間を少なく修正して正しい賃金を支払わないのは、労働基準法第24条の『全額払いの原則』に違反している。それだけならしばしば耳にする話ですが、同時に身内の労働時間を増やしていたというのはあまり聞いたことがありません。下手をすると詐欺罪(10年以下の懲役)に該当する可能性も。さすがに今回は刑事事件になることはないと思いますが……」

 6月上旬に退勤直後のX氏を直撃すると、「私ちょっともう関係ない……」などと動揺した様子を見せ、慌てて車に乗って去っていった。

 ア社に聞くと、質問には一切答えずに「本部広報にご連絡いただきたい」。そこで日本マクドナルド本部広報にX氏の行為について質問状を送付したが、「現在、事実関係を確認中のため、回答を控えさせていただきます」と回答するのみだった。

 現在配信中の「週刊文春 電子版」では、X氏による改ざんの詳細な手口、X氏の人物像、違法行為というリスクを負ってまで改ざんに手を染めた背景、X氏を直撃した際の一問一答などを、入手した内部文書をもとに詳しく報じる。

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