トラックドライバーの減少や地球温暖化につながる二酸化炭素排出量の少なさなどもあり、近年「貨物鉄道」を見直す機運は高まっている。しかし、鉄道ファンは別としても、一般消費者がそうした物流市場の変化に気付くきっかけは少ない。
「子どものために」と付いてきた若いお母さんたちの中の何人かでも、大きなコンテナや長大な編成の列車を目の当たりにして、自分たちの生活に物資を届ける重要な役割を貨物鉄道が担っていることに気付いてもらえれば、JR貨物にとってイベント開催の目的は果たせたことになるのだろう。
操縦士たちが「憧れのヒーロー」になる瞬間
一方で、こうした催しは現場で働く社員にとっても刺激になる。
普段一般の人が入ることのできない構内での作業に従事する社員にとって、ギャラリーの前でのデモンストレーションは最高の“見せ場”だ。
整然と並ぶコンテナをフォークリフトで抜き出し、貨車の所定の位置に的確かつ迅速に積み込む高度な技術は、曲芸を見るような興奮をもたらす。
40フィートコンテナという大型コンテナは、フォークリフトではなく「トップリフター」という“上から吊り下げる巨大なリフト車”で移動する。長さ12メートルに及ぶ巨大なコンテナを吊り下げたトップリフターは、鷲が翼を広げたような威圧感で見る者を圧倒する。
子どもたちの目にその操縦士は、憧れのヒーローとして映る。
「当日社員たちが着ていた“揃いのTシャツ”は、彼ら自身がデザインして作ったもの。大学生が学園祭を開く感覚に近いのかもしれません」
同社によると、今後も各地でイベントを開催していく予定だという。
興味がある人は、こまめにHPや公式ツイッターをチェックしてほしい。
写真=文藝春秋
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