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私がすごく傷ついた言葉

――ネットで誹謗中傷を繰り返す人は、人を攻撃すること自体が目的なので、目立つ人や攻撃できそうな相手をみつけたら飛びつく習性がありますからね。だから深く考えてないし、攻撃できる材料にしか興味がない。

小川 本当にそう感じます。だから、私は誹謗中傷については一切自分からはツイートしていないんです。間違っていることだらけなので、それ違いますといくらでも言えるんですけど、私自身には何も後ろめたいことはないので別に訂正しなくていいと思ったんです。そういう人たちは反応してもらうことが喜びだったりするんでしょうし。

 もう一つ、考え方を変えようと思ったことがありました。今私が悩んでいるのも、母親である自分が子供のことを見ないで自分のことばかり考えているからなんじゃないかとも思ったんですよね。私が向き合うべきなのは顔のわからない誰かではなく、自分の子供だなと。

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 そう考えるようになってからは、SNSもほとんど見なくなりましたし、悪口を見ても、それで傷つくのは“自分が自分が”と自分のことばかり考えているからだと思うようになりました。

©石川啓次/文藝春秋

――ご自身がご両親との関係や言動にいろいろ感じる部分があった分、ご自分のお子さんに対する接し方には気をつけていることも多いのではないかと思います。特に意識していることはありますか?

小川 私が生きていく上で、いまだに生きづらいなと思っている部分が自己肯定感が低いということなんです。だから自分の子どもには、それをちゃんと育んであげたいと思っています。

 私は、そのままの自分を肯定してもらえずに生きてきました。あなたたちは祝福2世だから、神の子だからと言われてきたし、ちゃんと教義を守っていれば天国に行けるからとも言われて育ったんですが、そんなもの全く自己肯定感には繋がりませんでした。根拠もないし中身もないので、脱会したら何も残らないんですよ。全部教会というフィルターを通して見て褒められていただけなので、当時から軽い言葉だと感じていました。みんな言われてましたしね。神の子だから外の人からは実は光って見えているんだとか。

 そんな信仰と関係なく、そのままの自分を認めてもらえて、別に神の子じゃなくても特別頭が良くなくても、そのまんまでいいんだよ、素晴らしいんだよと言われて育って来れたら良かった。だから私は、子どもにそれを言ってあげたいと思っています。

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