都議会で起きた「セクハラヤジ騒動」
この鈴木氏が全国的にその名を轟かせたのが、2014年6月に都議会で起きた「セクハラヤジ騒動」だ。
「晩婚化の支援策について質問していた塩村文夏都議(現参院議員)に『自分が早く結婚したらいいじゃないか』とのヤジが飛んだ。これに対して塩村氏や、当時所属していたみんなの党が猛反発。犯人特定のための調査が行われる事態となりました。鈴木氏は当初から犯人と疑われたものの『寝耳に水でびっくり』などと発言を否定。しかし英BBCや米CNNなど欧米メディアも報じる大騒動となり、その後一転して自身の発言だったと認め、謝罪した。鈴木氏の事務所に生卵が投げつけられるなど世論の反発はすさまじく、都議会自民党から離脱したのです」(前出・記者)
その後、2021年の都議選に落選、事故を起こした今年1月時点は復活を期す雌伏の時を過ごしていた。
人身事故ではなく、あくまで誘因事故であると主張
今回の事故後の対応に、Aさんは怒りを増幅させた。例えば警察を待つ間、Aさんと鈴木氏は連絡先を交換していなかったが、警察が到着すると、
「警察官に『連絡先交換しましたか?』と訊ねられた鈴木氏は、『しました』と平然とウソをつきました。その言葉にさらに不信感が増した。事故当日、鈴木氏から一切謝罪の言葉はありませんでした」(Aさん)
Aさんは右ふくらはぎの打撲と頚部のムチ打ちでコルセットを巻くことを余儀なくされ、10日間の通院加療が必要と診断された。
「結局10日ほど仕事を休まねばならなかった。補償については保険会社とのやりとりになると思ったのですが……」(同前)
ところが、事故2日後に保険会社から連絡を受けたAさんは愕然としたという。
「保険会社の担当者から、鈴木氏が弁護士を立てて争う意思があると聞かされたのです。さらに鈴木氏が人身事故ではなく、あくまで誘因事故であるとの主張に変えてきたことを知らされました」(同前)
誘因事故とは物理的な接触がなく、あくまで当事者同士の動きに誘発された事故を指す。