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IT系ベンチャー経営者→Pornhubプロデューサーで年収数千万円…荒稼ぎする34歳の男性が明かした“同人アダルト産業”の内情

『同人AV女優 貧困女子とアダルト格差』より #1

2023/06/20

genre : ライフ, 社会

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適正AVよりもポルノハブを選んだ女性

 村上太郎のスタジオは、東京の高級住宅街にある1LDKのマンションの一室で、大きなベッドには2台のカメラが常備されている。

 ポルノハバーたちのファンクラブ用の撮影は作品ではなく、ファンの要望に応えるだけのマーケティングという意識を最優先にして撮っている。撮影場所や台本は重要でなく、いつも同じ場所で撮影しても何も差し支えがない。

 スタジオの近くに彼がプロデュースする人気ポルノハバー女性が住んでいるという。取材をお願いすると、坂井志穂(仮名、29歳)はすぐに来てくれた。

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 坂井志穂は1年前にメンズエステ嬢をしているとき、男性客として通う村上太郎からファンクラブ運営を持ちかけられる。悩んだ末に頷いてポルノハバーとしての活動を開始し、ファンクラブの会員は、もうすぐ300人となる。広告収入とサブスクリプション収入で月80万円、ファン向けのエステサービス提供で月50万円、ポルノハバーになってからの月収は100万円を軽く超えている。

「村上さんにはメンズエステでスカウトされました。2、3回くらい指名で来てくれて、最初は断った。メンズエステから吉原のソープランドに移って働いているうちに、いまの仕事よりもポルノハバーのほうが楽しそうだなって思い始めた。村上さんから『カメラの前で、いまやっているようなマッサージをして、君のファンクラブを運営する。お金になる。一対一で接客することがないから楽だよ』って言われた。本当にその通りでした」

決め手は顔出しの有無

 坂井志穂は、元AKB48の大家志津香似な明るく元気のある女性だった。Gカップのスタイルが抜群で、脱ぐとさらに美しくなるタイプである。メンズエステではポルノハバーだけでなく、適正AVプロダクションからもスカウトを受けていた。

「メンズエステには、AVプロダクションの社長もお客さんとして来ていて、同時期にその人からもスカウトされました。どっちにしようかってなったとき、村上さんのほうを選んだけど、有名なプロダクションだったので正直悩みました。

 そのときはお昼の仕事もしていたし、家族とか友達のことを考えて、顔出しがネックだった。バレたくなかった。マスクはつけられるのかとか聞いたけど、村上さんはOKで、プロダクション社長にはAV女優は顔を出さないと難しいって言われた。それが決め手になりました。」

 吉原では1本7万円の高級店で働いた。採用が厳しいことで有名な店だ。高級ソープランドもスタイルが評価されて採用となった。

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