着るだけで空を飛べる「ジェットスーツ」。危険から身を守ってくれる「バリア」、人に代わって働いてくれる「家事/育児ロボット」――。
私たちの日常にはまだ浸透していないが、SF小説や映画などで描かれてきたテクノロジーの多くが現実のものになりつつあることをご存じだろうか。元JAXAの工学博士で、宇宙ビジネスコンサルタントでもある齊田興哉氏が最新テクノロジーとビジネスの動向をまとめた『空想が実現する時代のビジネス地図』より、一部抜粋、再構成してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)
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お相手はヒューマノイドロボット
NetflixのSFドラマ『Better Than Us』は、ロシア美人に似たスタイル抜群なヒューマノイドが登場する。その設定は、いわゆる成人男性の“お相手”だ。おそらくこのようなヒューマノイドロボットは、未来において必ずと言っていいほど実現するだろう。Sex technology、いわゆる「Sex-tech(セックステック)」と呼ばれるものだ。
実は2023年時点で、次のようなセックステックがある。
例えば、VRを活用したポルノ動画を見ること。自分自身の視点があたかもポルノ動画に出演している当事者のような感覚になれるのだ。“大人のおもちゃ”を組み合わせて快楽を得るものもある。Teledildonics(テレディルドニクス)という表現もするようだ。
また、Cybersex(サイバーセックス)というものもある。Cybersexは、2人以上をインターネットで繫ぎ、Webカメラやボイスチャットなどで性的な表現を送受信し合って、快楽を得るものだ。このプラットフォームにはさまざまなものがあり、アバターで出会うものもあれば、ゲーム形式のものもあるようだ。なんだか、テレビドラマの『ブラック・ミラー』のようだ。『ブラック・ミラー』では男性同士がこめかみに“なんらかの”小型の装置を貼り付けて、対戦ゲームをする。それにより、ゲーム上のキャラクターである男女のアバター同士でセックスを楽しむというものだ。ちなみに、アメリカの複数の州では、婚姻関係のない者同士の有料でのサイバーセックスは違法になっているようだ。