着るだけで空を飛べる「ジェットスーツ」。危険から身を守ってくれる「バリア」、人に代わって働いてくれる「家事/育児ロボット」――。
私たちの日常にはまだ浸透していないが、SF小説や映画などで描かれてきたテクノロジーの多くが現実のものになりつつあることをご存じだろうか。元JAXAの工学博士で、宇宙ビジネスコンサルタントでもある齊田興哉氏が最新テクノロジーとビジネスの動向をまとめた『空想が実現する時代のビジネス地図』より、一部抜粋、再構成してお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)
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運命の相手は「DNA」が導いてくれる
Netflixドラマ『The One: 導かれた糸』では、DNAによって運命の人を見つけられるテクノロジーが描かれている。このドラマが人気である背景には、日本の「ある社会課題」があると考えられる。それは、少子化や晩婚化だ。内閣府によると、2020年の出生率は1.33で、1971年の第2次ベビーブームの2.16と比較すれば大きく減少している。
また、晩婚化については、初婚年齢の平均が2020年で男性が31.0歳、女性が29.4歳となっていて、1985年と比べると、男性は2.8歳、女性は3.9歳上昇しているのだ。
ほかにも未婚率がある。こちらも内閣府が公表している統計だが、2020年において、30~34歳の男性はおよそ2人に1人(47.4%)、女性はおよそ3人に1人(35.2%)が未婚である。また、35~39歳では、男性はおよそ3人に1人(34.5%)、女性はおよそ4人に1人(23.6%)が未婚であるというのだ。
少子化、晩婚化が進んでいる一方で、男女ともに「結婚したくない」というわけではないようだ。こんなデータがある。
結婚したい女性が結婚に前向きな男性と出会える確率が低くなっている
20~34歳の男女の結婚希望率は、1990年代前半は90%以上で、2015~2019年には、50%台と減少はしているものの、35~49歳の男女ともに、1990年代前半と現代の2015~2019年では、変わっていないのだ。女性の人口のほうが多くなっているなか、この結婚希望率に鑑みると、結婚したい女性が、結婚に前向きな男性と出会える確率が低くなっていることも意味するのだ。