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 もちろん、人生において結婚がすべてではないし、結婚することが幸せであるとは限らない。その理由に、「離婚率」というデータがある。厚生労働省によると、2002年から減少傾向にあるものの、2020年においておよそ19万3000件の離婚件数があり、およそ3組に1組が離婚している試算となるのだ。

加速度的に効率、効果を追求する婚活市場

「結婚相手を見つけたい」「理想の異性と出会いたい」「結婚に失敗したくない」というニーズに社会はどのように応えられるだろうか。

 いま、婚活ビジネスが活発だ。婚活サービスを手がける企業へ、詳細なプロフィールを提出し、お相手の好みの異性を紹介してくれるサービスだ。ブライダル総研によると、2020年に結婚した人のうち、婚活サービスを利用していた人は33.1%。婚活サービスを利用していた人のうち、49.9%が結婚に至ったといい、その割合は過去最高だというのだ。

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 現代は、SNSが日常生活に深く浸透している。そのため、恋活もマッチングアプリを利用して出会い、結婚に至るケースも多い。実際にマッチングアプリを経て結婚した私の知人の若者も、何名か知っている。このように結婚まで至るプロセスは、昔と比べると大きく様変わりし、“効率的”、そして“効果的”に活動できるようになっているのだ。

©AFLO

 このような背景を考慮すると、今後はこの“効率的”“効果的”という傾向がより加速していくだろう。未来の恋活・婚活は、DNAによる要素を組み入れることが想像される。現代においてもすでにDNAによる恋活・婚活サービスは開始されている。結婚相談所NOZZE は、DNA内のHLA遺伝子に着目。郵送されてくる検査キットに対応し送り返すだけでよく、DNAによるマッチングサービスにより結婚に至ったカップルもいるようだ。

 ほかにもある。スイスのGene PartnerもDNAによるマッチングサービスを手がけていて、日本でもサービスを展開している。こちらも、DNAからHLA遺伝子を分析するという。そして、独自の非公開アルゴリズムと高いセキュリティで相性度の高い相手を紹介してくれるのだ。結婚相談所NOZZEによると、現代の婚活ビジネスの市場規模は、約1800億~2400億円程度と推定している。日本の人口を考えると、今後市場規模として急拡大するとは考えにくい。しかしながら、これまでに述べてきた背景から根強いニーズはこれからも続くのだろう。