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「不倫は不倫でも“大不倫”だったわけですよね」田原総一朗が下重暁子に語った“京都日帰り旅行”

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「ダブル不倫」のきっかけは……

 下重 彼女は田原さんと出会って、恋をしてしまったわけですよね。その頃、田原さんもすでに家庭を持っていたので、いわゆる「ダブル不倫」でした。そもそも、お二人の出会いのきっかけは何だったの?

下重暁子氏 ©文藝春秋

 田原 節子は入社4年目に、ワイドショー番組『奥さま、こんにちは』の司会になるのだけど、僕もその番組に構成作家として参加することになったのです。当時、僕は岩波映画製作所に勤めていて、2歳年上の従姉との結婚生活を送っていました。

『奥さま、こんにちは』の企画会議には、節子も参加していたのですが、すごく印象に残っていることがあります。その頃、電車内で男性が女性のスカートの中を盗撮する事件があって、「この犯人はどこか欠陥があるんじゃないか」と会議で話題になった。僕は「それは違う。男性なら女性のスカートの中を覗きたいと思っている。踏みとどまっているのは、良心があるからではなくて、のちのち面倒なことになるからやらないだけだ」と持論を展開したら、彼女と大議論になったの(笑)。

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 だけど、実際に一対一で話してみると、どんな話題でも意見が合って、世の中にこんなに気が合う人間がいるのかと驚きました。節子は一切媚びなくてね。僕は女性というものは必ず媚びを売るものだと思っていたから、彼女の存在が衝撃的でした。

 下重 じゃあ、最初から心惹かれていたわけね。

 田原 そうですね。まもなく僕は東京12チャンネル(現在のテレビ東京)に転職して番組を離れましたが、3年後にひょんなことで彼女と再会し、頻繁に喫茶店で会うようになりました。といっても、手なんか握ることもなく、人生のことや仕事のことを何時間も議論していた。節子はイエス・ノーをはっきり言うタイプだったから、男と女を抜きにして、延々と本音の議論が出来たんです。そうやって、彼女は僕の人生になくてはならない存在になっていきました。