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百合子 「知る」「続ける」は本当に大切やね。私はお弁当を作り終えたら30分ほど、近所をウォーキングします。よく、「ご夫婦で一緒に歩かないの?」って聞かれますが、お互いに歩くスピードが違いますから。昔は私が主人の後ろをついて行ったけれど、最近は私のほうが速い(笑)。無理してハァハァいいながらでは体によくないでしょ。

ウォーキングのコツ

幸男 私のウォーキングは通勤で「インターバル速歩」の「ゆっくり」と「さっさか」の歩きを交互にね。

百合子 あごを引いて歩くと全身に力がグッと入って、大股でしっかりと歩けるの。体ができるだけ左右に揺れないように、上下にリズミカルに歩くのがコツかしら。

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幸男 歩く姿勢は大事です。

百合子 仕事をしたり荷物をもったりすると、背中もつい丸くなりがちでしょう。だからお腹にぎゅっと力を入れる。そうすると全身の筋肉が働いて姿勢がしゃきっとするの。

幸男 かかとから踏み出して、しっかり歩くことですね。

家森幸男さん

京大馬術部での出会い

百合子 私達が出会ったのは、もう60年以上も前、京大の馬術部ね。私が浪人していた時、京大探検部が南極に行き、山岳部がヒマラヤに登頂し、馬術部がオリンピックに出るなど活躍してたんです。だから、入学後の部活選びのアンケートに「一番 探検部、二番 山岳部、三番 馬術部」って書いて出したら、馬術部の主将だった主人が一番最初に会いに来た(笑)。

幸男 実は私は小さい頃に、肺炎が悪化して膿胸で死にかけたことがあったんです。その時にドイツの新薬を使って救ってくれた医師がいて。それが家内のお父さんだったんです。

 母からそう聞いていたので、「命の恩人の娘さんが馬術部を希望している」と会いに行ったんです。

百合子 私はそのことを知らないまま偶然、馬術部を希望していて。

共働きには抵抗がなかった

幸男 馬術部って、24時間体制で馬の世話をしなくてはいけない厳しい部だから、女性が入部してもなかなか長続きしなかったんです。けれど家内は違っていた。ある日、宿直室のボロボロの布団を家内が一生懸命繕っている姿を見て、彼女と結婚しようと心に決めました。

百合子 私はこの人の誠実な人柄と研究への熱意に魅かれて。馬術部では、5分の1くらいの部員が落第するのに、主将を務めながら医学部を首席で卒業したのがすごかった。

幸男 私が大学院を出て、彼女が医学部5年生の時に結婚しました。卒業後すぐ長女が生まれてね。