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「本当にさらっと医者に言われた」がん告知

――告知を受けたときの気持ちはどうでしたか。

ガンプ 内視鏡検査が終わったあと、「悪性の何かだと思います」と言われました。そこでは詳しい検査ができずフワッとした言い方しかされなかったこともあり、遠くでお寺の鐘が鳴ってるような、どこかにお寺があるはずだけど確認できないなぁ、みたいな感覚でした。

1話目の告知シーン ©ガンプ/小学館

――主人公がいつか病気になるとわかっている闘病漫画は、いつ告知されるのかと読者としてはドキドキしますが、ガンプさんはその山場を非常にサラッと表現していました。

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担当編集・山本英智香(ひでちか)さん ネームを受け取った時、私も「ガン告知ってそれなりに強いシーンなのでもっと大きく扱わないんですか?」と聞いたんです。そうしたらガンプさんが、「本当にさらっと医者に言われたので、これくらいのコマで入れたいんです」と話をされていたのが印象に残っています。

ガンプ もっとドラマチックに演出をかけろと言われればできるんですけど、自分の現実認識のあり方と同じように落とし込もうとしたら、ああいう演出になりました。

「クッソ~、なんで俺だけガンなんだ!」って思ってたけど

――健康的な生活をしていた30代なのに「どうしてガンに?」という気持ちはありましたか。

ガンプ それはありましたね。お酒もタバコもやらなかったですし。

 抗ガン剤治療が本当にキツかったんですけど、治療のために乗っていた電車の中で健康に見える人が恨めしくって、「クッソ~、なんで俺だけガンなんだ!」って思ってたけど、降りる駅が同じで、乗るバスも同じで、結局一緒のガン専門病院に入っていった乗客の人がいて、「あっ」ってなったこともありました。

――そのガン専門病院の検査で直腸にガンがあり、肝臓にも転移していることがわかります。その直後、ガンプさんは民間療法を受けに行っていますよね。

ガンプ ステージ4の直腸ガンは5年生存率2割で、標準治療をしてもなかなか治すことがむずかしい現実がある中で、さらなる検査をするために10日間も待たなくちゃいけないことになって。