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スシロー“ペロペロ少年”自宅で反省の日々…6700万円の損害賠償、両親が負うべき責任は?

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「すみません、何もお話しできないので……。本当に申し訳ございません」

 玄関を開けて表に出てきた母親は、何度もそう繰り返し、深々と頭を下げた。

 未成年の長男Aくんは現在、約6700万円の損害賠償を求められた民事訴訟の被告となっている。

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動画の炎上で親会社の株価が一時的に160億円以上も下落

 一家が暮らすのは自然豊かな岐阜県の地方都市。発端は今年1月3日のことだ。

 地元の公立高校に通うAくんは、友人と回転寿司チェーン「スシロー岐阜正木店」を訪れた。食事後、Aくんに友人がスマホを向けると――。醤油ボトルの注ぎ口を舐める、未使用の湯呑みの縁を舐めて戻す、レーンを回るイカの握りに舐めた人差し指で唾液を擦り付ける……最後に親指を立てて決めポーズ。

醤油ボトルや湯呑みを舐めるAくん(Twitterより)

 約50秒の動画はその後、撮影した友人から別の友人に共有され、拡散していく。そして1月下旬、ネットで爆発的に炎上した。

会議室で謝罪する本人と両親に対してスシロー側が通告

 スシロー側が事態を把握したのは1月29日。Aくんの両親が謝罪を申し入れ、翌30日に名古屋駅近くの貸し会議室で両者の面談が行われた。ひたすら謝罪する本人と両親に対して、スシロー側はこう通告する。

「刑事、民事で必要な対応を取ります」

 

 親会社「FOOD&LIFE COMPANIES」(以下FLC)の株の時価総額が一時的に160億円以上も下落したスシロー側からすれば、謝罪で済む問題ではなかった。その後――。