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今の希望はスーパーの契約社員

 食費は月2万円が上限、1日にすると約670円。外食なんて贅沢はできない。

「お米にしろ食パンにしろ、ひたすら安いものを探しています。お米はオーストラリア米、食パンはスーパーのプライベート品で1斤79円、カップジャムは98円のもの。うどんや焼きそばは3個99円」

 魚は鯖、鰺、鰯の干物か塩鮭しか食べない。お刺身はもう3年近くも口にしていない。

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 仕事のない日は収入がゼロということだから一層倹約している。朝はジャムを塗った食パンを2枚、昼はレトルトのカレーとレンチンして作ったスクランブルエッグ、夜は残りの食パン3枚とコロッケ1個、スライスチーズ1枚。ざっと計算してみると原価は300円切っている。

©AFLO

「以前は、土曜の夜に自分へのご褒美としてチェーンの安い居酒屋で呑むことがありました。そこの晩酌セット1980円が定番だったのですが、ここのところは部屋で缶チューハイを飲んでいます。これぐらいしか息抜きがありません」

 食費など以外にも無駄なお金を使わないようにしている。

「水道とガスは難しいけど電気代は倹約できますね。特に冬はやり方次第ですよ。寒い日でも雨合羽を着て日当たりのいいところにいるとポカポカです。他にも電気カーペットの下に段ボールを敷くと電源をオフにしても温もりが長持ちするとか、ゴミ袋を切って窓ガラスとカーテンの間に張っておくと温かくなるとか。こういう裏技は女性週刊誌で仕入れるんです」

 衣服はリサイクル店でシーズン替わりのときに最安値になったものを、次の年用に買っておく。そろそろ温かくなる頃に冬物のセーターや防寒着を買えば200円から800円でそれなりのものが手に入る。

「こんな節約生活をしていても思わぬところで大きな出費がある。それが嫌ですね」

 まず医療費は削れない。

「寿司の配達帰りに飛び出してきた子どもを避けようとして急ハンドルを切ったら転倒しちゃって。左手の甲のところをざっくり切ってしまい3針縫いました。2週間通院して1万円ぐらいの医療費がかかった。スクーターのバックミラーも割っちゃったから代替のものを2000円で買って弁済したんです。こういうことがあると落ち込みます」

 今月は働けた時間が多かったから収入が増えたとか、一段と倹約してお金が残ったとか、コツコツ続けた努力も予期せぬ出費で帳消しになってしまう。

「今の希望ですか……? 朝に働いているスーパーが人手不足で契約社員を採るような話を聞きまして。本当にそうなったら手を挙げてみようかと思っています」

 これが駄目だったらタクシーも考えている。コロナ前に某タクシー会社の説明会に参加しようかと迷っていた。コロナが流行してそれどころではなくなったが、今は落ち着いてきているので、チャンスがあればと考えている。