安倍派をまとめられるのか
一方、西村氏については安倍派の若手議員の中に「後輩の面倒見が良くない」という声が少なくない。西村氏に質すと、「努力は怠っていない」と胸を張った。
「清和会を含めて若い(議員の)皆さんと、いろいろ情報共有したり、私の知ってることや経験したことを伝える会を継続してやっています」
しかし、ある安倍派中堅議員は、「派閥の事務総長だったのに、自分が前に出て大臣になってしまった。まず自分がという態度が露骨だ」などと西村氏の姿勢に批判的だ。所属する安倍派をまとめることができなければ、総理総裁への道筋はなかなか見えてこないだろう。
「生半可に持ってくると嫌」
さらに西村氏には「秘書やスタッフに厳しい」という評価がつきまとう。コロナ対策担当相当時はスタッフが長時間拘束される実態が明らかになり、1年半で秘書官が4人交代する事態となった。また昨年は国会の西村事務所の秘書7人がそろって辞表を提出するという異例の出来事も起こった。この問題に関して、番組に出演した東洋大学の横江公美教授が「人間味が足りないし、チーム作りが苦手なように見える」と指摘すると、西村氏はスタッフに向き合うスタンスについてこう述べた。
「私は仕事に対しては厳しいですね。仕事に対しては100点を出したいというのは常にあります。特にコロナの時はスタッフも大変だったと思いますが、実際に人が亡くなるわけですから。我々も使命感を持ってやる以上はベストと思う政策を出したい、1人でも亡くならないようにしたいという思いはみんなで共有したかったですし、寝ずにやれとかは言っていませんが、当然長い(労働)時間になります」
西村氏は仕事の厳しさを強調した。そこで少し角度を変えた質問を試みた。「スタッフをどうやって成長させようとしているのか」と尋ねると、西村氏は少し考えて語り始めた。
「(スタッフと)議論をすることですかね。議論を重ねていくことで、お互いに成長するというのはある。ただ議論する前に、私のところに生半可に持ってくると嫌ですね。いろんな視点で議論してもらってから私のところにきて、私も私なりに違う目で見て議論するということですかね」