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 そんなわけで、3人目の今回も「あ、お宮参りの段取りをしなくては」とか「お食い初めはどこでやろうか」と自分から妻に相談できるような発想はなく、毎度「段取りを組むのはいつも私。儀式とか節目とか親族の集まることは大事だとか言いながら、全然、自分から言い出さないじゃない。どういうつもり?」と妻に叱られます。返す言葉がないとはこのことです。たいへん申し訳ない。でもね、どうでもいいと思っているわけではないのです。あ、お宮参りどないしょ、とふと脳裏をよぎったとしても、寝不足でひぃひぃ言っている妻に「なあ、お宮参りどうする……? いや、いいから寝てて」となるでしょ? と、いちおう言い訳。

 さて、さかのぼることおおよそ4カ月。育休を取得することを決めて、いろいろと会社で手続きをしているころのことです。同じ職場で働く報道記者の後輩Hくんが少し前に一カ月の育休を取ったと聞いて、実にざっくりと「どうだった?」と尋ねました。するとHくんは、苦笑い、そう、まさに苦笑いを浮かべて、

「ううん、そうですね、まあ、もう育休はいいっすわ」

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 え、どういうこと? 育休を取ることにワクワクとソワソワを同時に抱えていた私は少々面食らいました。とっさに思い浮かんだのは、

① 仕事がおもしろい時期だったので、早く職場に復帰したかった?

② 奥さんとケンカした?

③ 期間が短すぎて充実感を味わえなかった?

 くらいでした。で、Hくんに「なんで? どういうこと?」とストレートに聞きました。

 くりかえしますが、私としても育休を取ることを決めてワクワク、ソワソワしていたので、経験者の浮かない表情というのはめちゃくちゃ気になるのです。Hくんの答えは、私の想像したどれとも微妙に違うものでした。

「んー、1カ月もまとまって会社を休むのは初めてだったんで、もうちょっと自分の時間というか、たまっている読みたい本を読む時間くらいはあるのかなと思ってたんですけど全然なくて。それに、ずっと家にいるからか、妻とも妙にギクシャクしちゃって」