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 また、ダラダラと朝から夜遅くまで勉強しているのも、リズム感というか、メリハリがなくなってしまう。長く机の前に坐っていればいいというものでもない。

 これがまだ若いうちなら、そうやって闇雲に勉強するのもアリかもしれない。しかし、俺はやっぱりオッサンだから、若い連中と張り合ってもしょうがない。何より、世の中には楽しいことがいっぱいあることも知っている。いや、世間の人よりももっと多く知っているかもしれない。だから、そんなにがむしゃらになりようもないのだ。

「過去問」を繰り返し解く

 合格まで8年かかったことで、「苦節」などといわれるが、俺にとってはそんなことはなかった。きちんと休憩して睡眠も取っていたし、勉強は楽しく、すればするほど手ごたえを感じていた。どんどん自信がついてくるので、毎回「次はイケる(=合格する)んちゃうかな?」と思い、ダメでも「来年はいけるな」と楽観していた。

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 民法も丸暗記までは必要ないし、丸暗記したところで受かるわけでもないのだが、それはそれでおもしろかった。丸暗記で理解が深まったと思う。

合格率3%の司法書士試験を見事突破 ©集英社インターナショナル

 それにしても、最近の司法書士試験の問題は「アホみたいに」むずかしくなったと思う。実務であそこまで複雑なものを扱うことはない。司法書士試験の難易度は東大入試以上などとも揶揄されているくらいだ。

 とはいえ、合格しなくては話にならないので、ひたすら基本書の読み込みと過去問題を解いていくことで問題に慣れていくことが重要である。

 基本書を漫然と読んでいても頭に入らないのであれば、過去問題中心にしてもよい。今はインターネットで過去問題の解き方もたくさん紹介されているので、それらも参照しながら1問ずつ丁寧に考えることを繰り返す。なおネット情報を参照するときは、レアな判例はキリがないので気にしなくていいと思う。

 もう一つ、「苦手科目」を作らないことも鉄則である。たとえば民事執行法や民事保全法などは1問しか出ないので、つい「苦手だから」「1問しか出ないから」と勉強しないのはお勧めしない。

 苦手であろうが、何であろうが、ひたすら過去問題を1問目から順番に繰り返し解いていく。そして自信がついてきたら、予備校の模擬試験を受けてみるのもいい。思ったような結果が出なくても、それで落ち込まずに再び挑戦する。その繰り返しである。