キャンドル・ジュン氏、いい人じゃないか。

 広末涼子の結婚相手として突然出現、キャンドルアーティストでキャンドル・ジュンという名前、全身タトゥー、耳たぶに骨が突き刺さってるあの風貌。結婚以来本業以外で表に出ないので実態がわからなかったジュン氏を、このたび広末W不倫騒動によってたっぷり見聞きした。単独記者会見、90分超えの長尺。たまたまネットの生中継を最後まで見ていたのだが、その最中にもどんどんネットニュースでこの会見が報じられ、風変わりな記者会見設営や質疑応答の有様、「福島」「反原発」についての長めの話なども相まって、「キャンドルさんはああ見えた通りのやっぱり変わった人」の声が高まる。

昨年ベストマザー賞を受賞した広末涼子 ©時事通信社

 生中継をノーカットで見た私は強く言いたい。「ジュンさんはいい人」だ。

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 彼の「いい人」さは断じて「ああ見えて案外」なのではなく「ああ見えるままで、いい人」。話す内容は妻の不倫であり、それを終始まじめに真摯に語るのだが、そこからなんともいえぬ「おかしみ」もにじみ出る。ご本人はおかしいどころじゃないだろうが、それも人徳と思える。

 最初に出たネット記事の「会見要旨」が、精度の悪いAIでも使ったかのような「意味不明なまとめ」で、その後「全文」も出たが、文章ではジュン氏の「いい人」さはわからないということがわかった。やはりここはワイドショーだ。

 しかし、会見をノーカットで放映するわけがなく、抜粋である。主に「ジュン氏自ら受付」「鳥羽氏の不誠実」「妻の異常行動」が抜粋され、ジュン氏の「よさ」「おかしみ」はわかりづらい。1対1の膝詰め質問で「奥さんが普通の状態じゃないというのはどのような時にどのような頻度で」ってきかれて「なぜそれを知りたいんでしょうか」と答えた時の、どんな芸能人の会見でも聞いたことのないような、不思議で面白い(といってはジュン氏に申し訳ないが)空気なんかはぜんぜん伝わることがなかった。まあしょうがない。ワイドショーは広末の不倫(がさらに泥沼になること)しか興味がない。『めざまし8』は、「ジュンさんはやや変わった人だ……」という方向でまとめようとしていたし、『ミヤネ屋』は「広末さんは普通の状態じゃない時期のある人」の方向でまとめていた。ワイドショーはしょうがねえなと思いつつも、そういうメディア対策のためにジュン氏も会見をやったわけで、それで私はジュン氏の素晴らしさを知ったので、あまり文句は言えないのであった。私の中で、ジュン氏と結婚した広末さんの株まで上がっている。夫婦のことなのでご自由になさってほしいが、ジュン氏はこれからの人生いいことがあってほしい。

INFORMATION

『めざまし8』
フジテレビ系 月~金 8:00~
https://www.fujitv.co.jp/mezamashi8/