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藤田 『ひとりでもできる有限会社の作り方』みたいなハウツー本に「52のステップを踏めば簡単に会社設立☆」って書いてあったんですけど、2割も理解できなかった(笑)。

 知識もないし頭がいいわけでもなかったから一つひとつにすごい手間がかかってしまって、定款を作るのにも法務局で「これ、何て読むんですか?」からはじまり、わからない言葉を辞書で引くけど、引いたところで説明の意味がわからない。とりあえず起業している人に聞いた方が早いと思い、片っ端から会って話を聞いて、3ヶ月で300人くらいと会いました。

 

――若い女性社長、しかもギャルというところでご苦労はありましたか。

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藤田 めちゃくちゃ怒鳴られたこともありますし、騙されたこともあります。未払いで逃げられたこともありましたね。また逆に紹介された女性の社長さんに、ランチの後、高級時計をいただいて「これで運命共同体」と言われたり。怖い世界だと思いました。

 あと、取材でインタビュアーの人に「あなたは流行り物だからね」と言われたのはイラッとしましたね。それでまた「絶対消えてやるもんか」とメラメラしたんですけど(笑)。

ギャル社長として4期連続黒字経営、事業を継続できた理由

――実際、ギャル社長として、会社設立から4期連続黒字経営を成し遂げています。

藤田 タレントを使うよりも安く使える側面もあって、その頃からギャルが企業に登用されることが増えていました。うまく波に乗れたところはあると思います。でも、今思うのは、何も知らない19歳の時に起業するのはたしかに大変だけど、事業を続けていく方がもっと大変、ということです(笑)。

 

――20年間現場で戦ってきた経営者の重い言葉ですね。続けられた理由はなんだと思いますか。

藤田 最初は無知のパワーがあったと思います。「ギャル革命したいんです!」って会社に営業に行って、相手から「いやあ、上を通さないとわからないんで」と返されると、「上の人って社内にいるんですか? じゃあ連れてきてもらえます?」みたいな(笑)。当たり前の営業を知らなかったので、そんなことを平然と言っていました。色んな人から面白がられていたと思います。

――具体的に「面白がられていた」というのはどういったことですか?