藤田 ありました、ありました。私も専属モデルを続けていたら皆にキャーキャー言われたりしたのかなぁ、とか(笑)。あとは単純に遊んでいる子たちが羨ましかった。同じ頃、自分は徹夜で事務作業してたり、成人式の後も、和装の髪型のまま寝ないで仕事してましたから。
でも、毎年新しいギャルが入ってくる中、益若(つばさ)さんのように第一線で生き残っていくのがいかに大変なことかはよくわかるので、今となっては、地道に事業を続ける選択をしてよかったのかなって思っています。
シングルマザーになって気づいた仕事への思い
――現在はシングルマザーとして社長業と子育てを両立されています。
藤田 去年離婚を発表したんですけど、なぜかそれがネットニュースになった上に、使われた写真がめちゃくちゃ古いギャル時代の写真で。まるで「ほら、ギャルって離婚するでしょ」みたいな使われ方で、それはちょっとショックでしたね。
ただ、シングルマザーとしての生活は想像していた以上に楽しくて。5歳の息子が大きく成長しているというのもあると思いますが、今は元夫に子どもを預ける日もあるので、自分の時間もきちんと取れる。少しずつ新しい家族の形を築けているのかな、と思います。
――シングルマザーになるプレッシャーはありましたか。
藤田 もちろんありました。ですが、19歳から仕事を始めて本当に色んなことがあったなかで、一番仕事をしていて良かったなと思ったタイミングが、離婚のタイミングだったんです。
――どういうことでしょうか?
藤田 子どものことを考えたら、離婚をせずに夫婦で改善していくのが一番だと思うし、もちろんそう試みたけれど、「自分の心と身体のバランスが上手く取れていないな」と感じた時に、子どもを守る母親としてこれじゃダメだと思って離婚を決意しました。その選択をした時に、私を思いとどまらせるものもなかったので。
それはやっぱり仕事をしていたのがとても大きいと思うし、19歳から始めて色々と犠牲を払ってきたこともあるけれど、それ以上に大切なものを守る力をつけられたんだなと実感しました。だから本当に、仕事に感謝ですね。
「夢は専業主婦」って言っていたこともありましたけど、やっぱり誰もが1人で生きていく力、経済力はつけていくべきだと思います。とくに子どもがいたら、その子を守る力も必要になってくる。例えば、パートナーから離れた方が良い状況になった場合にも、そういう力があれば少しは話をスムーズに進められるし、負担も減るのではないでしょうか。
撮影=深野未季/文藝春秋
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