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総工費400億円の城のようなホテルから、星野リゾートが手がける“元監獄”ホテルまで…! 西日本のスゴすぎる“宿泊施設”をまとめてみた

総工費400億円の城のようなホテルから、星野リゾートが手がける“元監獄”ホテルまで…! 西日本のスゴすぎる“宿泊施設”をまとめてみた

たまらん日本の宿泊施設【西日本篇】

2023/07/01

genre : ライフ,

note

 変わった観光地やレトロな風景を訪れることを趣味としている私が、東日本のたまらん宿泊施設を紹介した『「え、ここに泊まれるの!?」値段や過ごしやすさだけじゃない…味わい深さがクセになる東日本の“宿泊施設”8選』。

 ここからは、引き続き西日本を旅したときに泊まって印象深かったホテル・旅館を紹介していく。

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総工費400億円のバブリーホテル

●ホテル川久(和歌山県西牟婁郡)

ホテル川久外観

 白浜の海岸沿いを走っていると、まるで海の上に浮かんでいるかのような城が目に入る。その正体は1991年、バブル絶頂期に誕生したホテル川久だ。

ホテル川久外観

 元々は木造純和風の「旅館川久」として1949年に創業したが、40周年を機に1989年、全面建て替えを実施。世界中から超一流の資材と職人をかき集め、総工費400億円をかけ、夢の城「ホテル川久」が完成した。

ホテル川久内観

 開業当初は会員制であり、会員権は2000万円から。当然全室スイートルーム。庶民は近づけない、特別な社交界が形成される場所だった。しかし1995年、わずか開業から5年足らずで経営破綻し、その後1998年にカラカミ観光が30億円で買収。おかげで、私たち庶民でも手の届く高級ホテルとなった。

ホテル川久内装

 白浜に着きレンタカーを借りると、いざホテル川久へ。目的地に近づくと、古びたスーパーや個人商店が並ぶ細い路地の奥に、周りの景色となじまない巨大な城が姿を見せる。ホテルの中は隅々まで贅を尽くした、まさに“城”。黄金に輝くロビー、繊細で美しいシャンデリア、1本1億円とされる柱、天井や床には様々な意匠が施され、壁際には見たことのない調度品が並んでいる。

ホテル川久スイートルーム

 ひとりではもてあますスイートルーム、味わったことのない高級料理。覚めることのない夢の時間は、忘れられない思い出となった。

●湯布院フローラルヴィレッジ(大分県由布市)

湯布院フローラルヴィレッジ外観

 2012年にオープンした、湯布院フローラルヴィレッジ。映画「ハリー・ポッター」の撮影地としても有名で、世界一美しい村といわれるイギリス・コッツウォルズ地方の村を再現したテーマパークである。

湯布院フローラルヴィレッジ外観

 イギリス発祥の「ピーターラビット」や「不思議の国のアリス」の店、「ハリー・ポッター」をイメージしたフクロウカフェなど、メルヘンな街並みでグルメやショッピングが楽しめると、若い女性を中心に人気の観光スポットだ。

湯布院フローラルヴィレッジ外観

 そんな湯布院フローラルヴィレッジの中にも宿泊施設があると知り、泊まってみることにした。

湯布院フローラルヴィレッジ宿泊客室

 これだけメルヘンに重きを置いているのであれば、宿泊施設も期待できるのではといざ扉を開けると、想定外の和室であった。足を伸ばせる快適な広さに、しっかりと“広縁”まである。

フローラルヴィレッジ外観

 宿泊してよかったのが、閉館時間のすぎた湯布院フローラルヴィレッジの夜景をひとり占めできたことだろう。星空の下、ムーディーな街並みは私のためだけに輝いているように見え、特別な気分を味わうことができた。