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脱毛ヤケドすらお手上げなシロウト医師ばかり…皮膚科専門医が「金儲け」と批判されても医療脱毛を続けるワケ

source : 提携メディア

genre : ライフ, 医療, ヘルス

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そして、私のような皮膚科専門医が保険診療だけでなく、自由診療の美容医療を行うことに対して、「楽して儲(もう)けている」と、いいイメージを持たない人がいるのも事実です。

実際、当院で医療脱毛やシミ取りなどの美容医療を始めた頃、他科の医師から「先生はちょっとレーザーを当てるだけで、何万円ももらえていいですね」と言われたこともありますし、同じように思っている方がいることは感じていました。私の説明不足が原因だったものの、信頼していた院内のスタッフからも「とうとう院長はお金儲けに走るんですか?」と言われたこともあります。

保険適用で治るニキビに100万円かける人も…

それでも私が開業から1年半で美容医療を取り入れたのは、前述した他院での医療脱毛の副作用のやけどの患者さんだけがきっかけではありません。他のクリニックでのレーザー照射によって余計にシミが濃くなってしまったケースや、保険適応の塗り薬で治るはずの普通の「ニキビ」に対して、100万円もする高額な美容医療の「ニキビ跡」の治療を受け続けていたために治らないなどの理由で、当院を受診する患者さんたちがたくさんいたからです。

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また平然と「副作用は診られないから、皮膚科に行ってください」と言う美容クリニックや医療脱毛専門クリニックもあるようで、患者さんの不安な気持ちを考えるとやり切れないですし、美容医療や医療脱毛を謳(うた)っておきながらトラブルになると最後まで責任を取らずに丸投げしてくる姿勢にも、同じ医師として憤りを感じていました。

一般皮膚科の知識を備えた私たち皮膚科専門医が美容医療を行えば、万が一、トラブルが起こっても適切な対処ができます。例えば美容医療のみのクリニックでは、アトピー性皮膚炎やニキビなどの肌トラブルを抱えた患者さんはリスクがあるため、医療脱毛を断られることもあるようです(トラブルが起きてから皮膚科に行ってくださいというより誠実だと思います)。