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元2代目総長かおりとの出会い
レディースを取り上げるようになった雑誌の勢いは止まらず、たちまち10万部を突破。まさに「レディース暴走族ブーム」の到来です。
全国のレディースを名乗る女の子たちから「ウチらのチームを取材してくれ」と毎日何十本もの電話が入り、私たちは休みなく全国のレディースを取材しに駆け回りました。
今回、紹介する「貴族院女族」元2代目総長かおりさんは、そんな数多くのレディースの中でも、読者から絶大な人気を得ていた女性でした。
当時、彼女は17歳。目は切れ長で、妙に色っぽさを感じる女の子でした。私たちと喋っていても感じがよく、喋り慣れている様子でしたが、どことなく言葉がカタコトな気がしたので「かおりちゃんは日本の人?」と聞くと、「違います、台湾人です」と返します。
しかも、16歳のころから栃木のスナックで雇われママをやっていたといいます。どおりで、大人との会話も上手いはずです。
その生い立ちは少し複雑です。生まれは台湾の台北市。早くに両親が離婚して、彼女が小学校低学年の頃に、母親は単身日本に出稼ぎにいきました。小学5年生のときに来日するまで、台湾の親戚の家をたらい回しにされていたとのことでした。
さらに夢にまで見た母親との生活は、母親の仕事が多忙だったため、日本に来てからも“ほぼ別居状態”で叶わなかったといいます。
心のよりどころがない寂しさと、「自分は誰にも必要とされていない……」という思いから、徐々に同じ境遇の仲間たちとツルむようになります。
中学時代には、ケンカやシンナー、万引きなど、非行の道へ進んでいった彼女ですが、ただ、ここからが普通の不良少女とは違うところ。