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身に覚えのないことが自分のせいに…取引先担当者が繰り返す謎行為の裏にあった、受け継がれる「ちょろまかし」文化

source : 提携メディア

genre : ビジネス, 働き方, 社会

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そして、しばらくすると「もう帰っていいよ。俺もこのあと他に用事があるから」と言うのです。

どうやら横浜で古い友人に会うことになっており、それにかかる費用をすべて出張経費としたかったようで、私と面会したという事実と、その証明となる喫茶室の領収書がほしかったのです。

「ちょろまかし」はシリアスに捉えるべき

これらはほんの一例ですが、私から見ると、Aさんが残した負の遺産と呼ぶべきものでした。こんな体質が見事にできあがってしまっていたのです。

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相談者の方は、取引先との関係は上手に維持すべきですが、直面されていることについては、それを反面教師としてシリアスに捉えたいところです。

もしかすると取引先の担当者がたまたま横着なだけでなく、そのような体質の組織と取引をしているのかもしれません。

少なくとも私たちは、自分たちの組織ではそんなことが起きないよう、モラルを保ちたいものです。

松崎 久純(まつざき・ひさずみ)
サイドマン経営・代表
もともとグローバル人材育成を専門とする経営コンサルタントだが、近年は会社組織などに存在する「ハラスメントの行為者」のカウンセラーとしての業務が増加中。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では、非常勤講師としてコミュニケーションに関連した科目を受け持っている。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ』『英語で学ぶトヨタ生産方式』など多数。
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