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身に覚えのないことが自分のせいに…取引先担当者が繰り返す謎行為の裏にあった、受け継がれる「ちょろまかし」文化

source : 提携メディア

genre : ビジネス, 働き方, 社会

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身に覚えのないことを取引先から自分のせいにされている場合、どうすればよいのか。人材育成コンサルタントとして、ハラスメント行為者へのカウンセリングを専門に行う松崎久純さんは「対策としては、決して個人的なこととは受け止めないようにすることです。彼らは機会があれば、他の人にも同じことをしているものです」という――。

身に覚えのないことが自分のせいにされている

何年も前から、取引先の担当者に手みやげを渡されることが多かったのですが、その担当者は、毎回、会社経費で自分にも同じものを買い込み、すべて私に渡したように社内で会計処理をしていることがわかりました。大事な取引先なので、事を荒立てたくありませんが、あまりに非常識ではないでしょうか――30代の会社員の方からのご相談です。

社会人生活をしていると、身に覚えのないことが自分のせいにされている――こんなことがあるものです。

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変な噂を立てられたり、悪意のある吹き込みをされることもあれば、私などは、勤務先で机の中から認印を後輩の女性従業員に勝手に持ち出され、悪用されていたことさえあります。

相談者の方が悩んでおられる、いわゆる「ちょろまかし」に利用されたのも一度や二度ではありません。

顧客が「松崎さんを接待するために使った」ことにして、何年も継続して経費を私的に使っていたのです。

世の中には、平気でうそをつける人たちがいますから、やっかいです。

写真=iStock.com/kuppa_rock ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kuppa_rock

「ちょろまかし」が横行している

残念なことに、昔も今も「ちょろまかし」をする社会人は大勢います。実例から、典型的なものを紹介しましょう。

いくつもの企業から参加者を募って行われる勉強会。合宿所を会場として提供してくれた企業の担当者が、夕食を兼ねた懇親会では幹事も務めてくれました。そのことは非常にありがたかったのですが、この担当者は、合宿所に常備されている地元産のワインを懇親会の参加者が何本も余分に飲んだことにし、持参した自分のボストンバッグに内緒で忍ばせていました。

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