3位 島原手延そうめん 藤の糸
(本多兄弟商会/長崎県南島原市)
少し太めで、噛んだ瞬間のプリッとした食感は小豆島のそうめんを彷彿とさせます。ところが、噛み切る際にはプチプチッという強い歯切れがして、こちらはまるで三輪素麺のよう。いろいろな産地のそうめんの特徴を併せ持ったかのようなハイブリッドなそうめんだと感じました。私が今期食べたそうめんの中でナンバーワンです。
2位 坂利の手延素麺
(坂利製麺所/奈良県吉野郡東吉野村)
奈良県の山間にある坂利製麺所は三輪素麺に倣い、そうめん作りを始めました。坂利の手延素麺は三輪素麺よりも穏やかで、歯切れはムチッ、プリッ。風味も優しめです。
私はブチッという強い歯切れのそうめんが好きなので、この弾力は好みではありません。けど、作り手の想いが乗ったこのそうめんに、思わず「ああ、いいそうめんだなぁ」とため息が漏れました。人の嗜好さえも無化するそのおいしさ……好みから外れているにもかかわらず、私はブログで例外の★6をつけました(★6はふたつだけ)。
生産量がわずかで入手困難だが、おいしさは感動的
1位 南関そうめん
(生産者不明/熊本県玉名郡南関町)
今となってはほとんど見られなくなった、すべてが手作業で作られているそうめんで、長い麺を8の字に曲げて乾燥させているというのが大きな特徴。とても細いのですが、一本一本がしっかりと主張して、ブチブチブチッという強烈な歯切れは頭蓋骨にも響くほど。私のブログでの評価は例外の★6です。
生産量がわずかで入手困難ですが、もし機会がありましたらぜひ一度お試しください。このおいしさは感動的です。
番外編 北海道そうめん
(はたけなか製麺/宮城県白石市)
これまでの15種は手延べそうめんでしたが、あえてひとつだけ機械麺を取り上げてみました。正直、機械麺でおいしいものは少ないのですが、これにはびっくり。過去最高においしい機械麺のそうめんでした。しかも300g換算で約120円と激安で、コスパ最高。
そうめんは揖保乃糸だけじゃない!
確かに揖保乃糸は素晴らしいそうめんです。私も大好きでよく食べます。けど、揖保乃糸以外にも、そして揖保乃糸以上においしいそうめんはたくさんあります。ぜひこれを参考に自分好みの手延べそうめんを探してみてください。
こんなに細いのに、こんなに違うんですから、そうめんって何気に奥が深いですよ。