家にいなさすぎて、実の子から「知らないおじさん」扱いされたことも……。知られざる「トラックドライバーの恋愛&家庭事情」を、元トラックドライバーでライターの橋本愛喜さんが解説。

 新刊『やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます』より一部を抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)

知られざる「トラックドライバーの恋愛&家庭事情」とは? 写真はイメージ ©getty

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トラックドライバーの恋愛・家庭事情

 ブルーカラーで働く人たち最大の特徴のひとつは、やはり「男性の割合が非常に高いこと」だろう。トラックドライバーに限らず、街中の建設現場や工事現場を見ても、そこで働く作業員はやはり男性がほとんどだ。

 そんな現場から毎度多く聞こえてくる共通の悩みがこれだ。「出会いがない」。

 どこかでも言及したが、工場を経営していたころ、私も社員からなぜか「恋人ができない」というクレームを受けたことがある。彼は冗談っぽく言ってみせたが、いやあの目は絶対笑ってなかった。

 トラックドライバーの場合、他のブルーカラーにも増して女性との出会いが少なくなる原因がある。そう、「一日中ひとりで仕事をする環境」だ。女性どころか人間に出会えない環境。そうなると、同僚同士で「今度みんなで合コンやろう」という話にすら繫がらず、恋人探しをするチャンスは他のブルーカラーより少なくなるのだ。独身の男性ドライバーからは、こんな悩みをよく聞く。

「出会いが極端に少ないし、地元に帰れるのは10日に1回。体力回復が最優先になるから相手を探すどころじゃない」

「出会い? ないですね。女性がいるのは大体よく行くコンビニとか、スタンドとか、飲み屋のねーちゃんくらいしか思いつかないです」

「大型連休の『家族持ちは休むから独身は働け』的な風潮ってなんなんすかねぇ。例に違わず僕の休みもなくなりました(笑)」

 とはいえ、もちろんトラックドライバーのなかにも結婚している人はいる。彼らはどこでパートナーと出会ったのだろうか。

「自社の倉庫にバイトとして来てた子が今の嫁です」