1ページ目から読む
4/4ページ目

鈴木 「なんであの時、もっとちゃんと準備しなかったんだ」と思いながら死にたくないです。だから世界選手権はリベンジしたい。

吉田 そうだよね。だけど、そんな簡単なものでもないこともみんなわかっている。

鈴木 そうそう。だから「そのためには」ということを真剣に考えないといけない。

ADVERTISEMENT

吉田 私は世界選手権では「久しぶりにこんなに勝てないなー。なんでだろう」とずっと考えていました。久しぶりにしっかり負けも経験しました。だからこそ昨シーズン終わりには具体的な課題がたくさん見つけられて。

鈴木 意外とやることは多い。

吉田 うん。今季は大会に出場するだけではなく、課題に向き合うための合宿も既に組んでいるから、それに取り組んで自分たちがどう変われるかが、実はとても楽しみです。

今季の初戦は8月24日に北見市常呂町で行われるアドヴィックスカップだ ©JMPA

「結局、チャレンジ」、「一生、チャレンジ」

鈴木 あと私は今年の自分のテーマが「素直」なんです。別に特定の誰とかではないんですけれど、この年になって生きていると「あの人、素直になればいいのになー」とか「頑固な人だな。もっと楽に考えればいいのに」とか思うんです。

吉田 あー、「素直」いいな。私もそれで! 私を先に書いてもらえますか? で、夕湖を後に書いてください。

鈴木 おい。私は夕梨花には「私が素直じゃなかったらすぐ指摘してね」とお願いしてある。

吉田 あー、それもいいなあ。私もお願いしよう。すぐに「ごめんなさい!」って謝りやすい!

鈴木 もう変なプライドもないし。素直が一番です。負けたりして(外野に)どうこう言われても、おばさんになって気にならなくなりました。まあ、今季も結局、チャレンジ。

吉田 本当にそう。一生、チャレンジ。勝つ時は勝つし、負ける時は負ける。おばさんになって高エネルギー体が復活した。今年も楽しいシーズンになればいいなと願っています。

写真=上野勇

吉田知那美(よしだ・ちなみ)

1991年7月26日北海道北見市生まれ。小学校2年の時にカーリングを始め、中学時代から鈴木らと共に日本選手権に出場するなどの実績を残す。2011年に北海道銀行フォルティウスに加入し、2014年ソチ五輪出場。14/15シーズンからはロコ・ソラーレでプレーし、2016年の世界選手権銀メダル、2018年平昌五輪銅メダル、2022年北京五輪銀メダル獲得に貢献した。最近ハマっている食べ物は雲白肉。

鈴木夕湖(すずき・ゆうみ)

1991年12月2日北海道北見市生まれ。小学校2年の時にカーリングを始め、2010年のロコ・ソラーレ結成時からオリジナルメンバーとしてプレーする。145cmという身長ながら世界トップレベルのスイープ力を持ち、吉田夕梨花とともに「クレイジースイーパーズ」と呼ばれ、チームに数々のタイトルをもたらした。最近ハマっている食べ物はミルクティーとソフトクリーム。