カーリングの新シーズンがいよいよ開幕する。今季2023/24は、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪に向けて国内外でオリンピックレースが始まるタイミングでもある。
その重要なシーズンに向けて、ロコ・ソラーレのみならず「カーリング黄金世代」の中核を担う鈴木夕湖と吉田知那美コンビに話を聞いた。ジュニア時代の秘話、ロコ・ソラーレの歴史、世界のトップへ向けた視界、新シーズンへの思いまで……。基本はゆるゆると、時に鋭く、常に姦しい「ちな&ゆう」ワールド全開で語ってもらった。
最低でも5時間を覚悟!? 「ちなゆう」コンビは
――文春オンラインです。本日はよろしくお願いします。
鈴木夕湖(以下、鈴木) よろしくお願いします。私たちふたりを指名するとは、なかなかやりますね。5時間くらいの(インタビュー)時間は覚悟しているんでしょうか?
吉田知那美(以下、吉田) よろしくお願いします。でも、その5時間のうち、使える部分は5分という可能性も十分、あり得る(笑)。
――おふたりは小さい頃からROBINS(※1)というチームでご一緒でしたが、まずはチーム名の由来と、何シーズンプレーしたのか教えてください。
※1:常呂町をホームに結成されたチームで、2006年と2007年の日本選手権は中学生ながら3位に入賞するなど旋風を起こした。
吉田 ロビンズね。
鈴木 あの伝説のチームね(笑)。
「私たちのスタイル」が生まれたジュニア時代
吉田 ブルーロビンっていう鳥がいるんですけれど、私たちにカーリングを教えてくれた小栗祐治さん(※2)の趣味がバードウォッチングで、綺麗な鳥だからって。
※2:本橋麻里など数々の選手をアイスに誘った「日本カーリングの父」と呼ばれる、国内カーリングの第一人者で功労者。「オリンピックで日本がメダルを獲るのを見たい」と話していたが、2017年に逝去。
鈴木 チーム結成は小学2年生かな。最初は6人スタートでした。
吉田 転校や中高進学のタイミングなどもあって、メンバーの入れ替わりはあったけれど結局、11シーズンやったのかな。ゆり(吉田夕梨花)は私たちが中学3年生の時に正式なメンバーとして入ったのですが、その前から私について来てロビンズで一緒にカーリングはしてました。その頃からゆりと夕湖はずっと相方で。
鈴木 確かに私たちのスタイルはあれからまったく変わっていない。
吉田 学校終わってよくそのまま、「ゆうみさん家行ってくるー」って遊びに行って、冬には常呂川の堤防で凍った川に向かって段ボールで滑るというワイルドな遊びをしていました。
鈴木 あれは熱かった。でも良い子は真似すんな。