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根尾昂、梅津晃大、大野雄大…ドラゴンズ全二軍投手の現状を山井大介コーチに聞いてみた

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/08/08
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梅津、大野雄、メヒアの気になる現状は……?

 去年、30試合に登板した森博人は今季一軍登板ゼロ。「ボールはいいのですが、抑えたい気持ちが強すぎるのか、試合になると、投球フォームが崩れてストライクが投げ切れません。安定感が欲しいです」と奮起を促す。

 2年目の石森大誠はまだ一軍経験がない。「ストレートは力負けしない強さを持っていますが、打たれたくない気持ちが強すぎるのか、試合では引っ掛けたり、抜けたりしてコントロールを乱してしまいます。ただ、一時に比べれば、本来のボールを投げられるようになりました」と話した。近藤廉は投球フォームを改良。「最初はサイドにしましたが、今はスリークォーターに落ち着きました。引っ掛ける球も少なくなりました。あとは左バッターの内角に投げられるかです」と見据えた。

 育成選手も努力を重ねている。「今、個別練習を一番長くやっているのは松田(亘哲)と(加藤)翼です。松田はツーシーム、カーブなど色々な変化球を覚えて技巧派でやっていこうと取り組んでいます。翼は上下のバランスがバチっとかみ合った時のストレートは本当に素晴らしい。その確率を上げられるかです」と期待を寄せる。

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 リハビリ組も知りたい。一軍間近と思われた梅津晃大は7月下旬、下半身のコンディション不良となった。「本人が一番悔しいでしょう。彼は優しい男ですが、今年はメラメラしたものを出していて、今までにない気迫を感じていました。キャッチボールは再開していて、今は50mくらい。今月中にブルペンに入って、シーズンの終わりに上で投げられれば」と復活を願った。

 春季キャンプで右大腿骨を骨折した岡田俊哉は「今はジョギングとキャッチボール。足を踏み込んで投げる事には慎重になっています。ただ、肩と肘は元気でボールは来ています。表情が明るいし、声も出ています」と前を向く。4月に左肘クリーニング手術の大野雄大は「ブルペンで立ち投げをしていますが、力は6割程度。傾斜を使ったキャッチボールという感じです」と無理はさせない。去年9月に右肘トミー・ジョン手術をした岩嵜翔は「立ち投げで150キロが出たので驚きました。ここまで後退はなく、前進しています」と視界良好だ。

 4月に右肘手術をした竹内龍臣は「キャッチボールは40mから50mまで伸びています」と順調。一方、3月に右肘トミー・ジョン手術をした石川翔は「まだ10mから20m」と道のりは長い。先週、右大胸筋損傷のウンベルト・メヒアは「しばらくノースローです」と話した。

 ルーキーは焦らず、ゆっくりと。左肩痛の森山暁生は「今はネットスロー。生活態度も真面目で、先輩に可愛がられています。マウンドでは相手に向かっていく姿勢がいい。高卒ですが、臆することなく、投げ切れるメンタルが頼もしいです」と絶賛だ。3月に腰の手術をした野中天翔は「先月から全体練習に参加していますが、ブルペンはまだです」と説明した。

 情報がないと、憶測が飛び交い、要らぬ心配、過度な期待が生まれる。ただ、知ることで心を落ち着かせて応援できる。今回は全二軍投手の近況を取材した。灼熱のナゴヤ球場で、大粒の汗を流す彼らにエールを送ろう。

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