文春オンライン

奇抜な髪色だった宗佑磨とパンチパーマだった頓宮裕真…2人の“ゆうま“の物語

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/08/19
note

自信を獲得した彼等の髪型は、いつしかシンプルな短髪に収まっている

 宗選手と頓宮選手は共にドラフト2位で入団し、当初から大きな期待を集めていた。しかし、二人に共通するのは、その後共に守備で苦労する事になった事である。

 大学日本代表の4番打者をも務め、主として捕手で活躍した頓宮選手は、チーム事情で三塁手にコンバートされた。開幕戦から5番打者で起用され、初打席ではタイムリーも打った。しかし、その後、守備で失策を繰り返し、不安定な守備は彼の「売り」であるバッティングにも影響を与えている様に見えた。このシーズン後には一旦「捕手専念」を宣言する事になっている。

 高い身体能力を持つ宗選手は、当時ショートのレギュラーだった安達選手の後釜或いは将来のライバルとしての期待を受けて入団した。しかしながら、その後は故障もあり伸び悩んだ。今では考えられない事であるが、最も大きな課題の一つは不安定な守備であり、初スタメンで臨んだ試合でも失策を犯している。2017年のシーズン後には、外野に一旦コンバートされた。一定の出場機会を得たものの、レギュラーを獲得する迄にはいかなかった。髪の毛が金色や緑色に変化し、バッティングフォームが頻繁に変わったのはこの頃である。

ADVERTISEMENT

 そして、今、同じ1996年生まれ、同じドラフト2位、そして同じ「ゆうま」という名を持つ二人の選手は、20代後半に差し掛かり、攻守の双方において、文字通り「チームの要」といえる存在になっている。経験を積み、自信を獲得した彼等の髪型は、いつしかシンプルな短髪に収まっている。ボールを恐れてでもいるかのように、守備位置で慌てていた昔の彼等の姿は、そこにはもう存在しない。

 でも思う。どっしりと落ち着いて頼もしくなった「ゆうま」も良いけど、時には昔の様にはっちゃけた「ゆうま」も見てみたいかな。だって、身体能力抜群の君たちにはまだまだ大きな伸びしろがあるじゃないですか。きっと、もっとずっと先に行く事ができますよ。

 さて、こっちもたまには、秘蔵のオリジナル T シャツを着て出かけますかね。夏休みだし、研究科長がちょっと変わったファッションしても許してくれるよね。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2023」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/64552 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

奇抜な髪色だった宗佑磨とパンチパーマだった頓宮裕真…2人の“ゆうま“の物語

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!