「突然、馬乗りになってカッターを首に」“ススキノ首狩り殺人” 逮捕のひきこもり娘(29)が豹変した“狂気の瞬間”「家では娘の天下」「許せないことがあった」

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 奔放な素顔を女装でコーティングしていたかにみえるAさん。瑠奈の祖父は、両親が一人娘を溺愛していたと明かした上で、小誌にこう語った。

「俺から言わせれば、ちょっと過保護なんだよな。(瑠奈にとって)許せないことがあってね。そうなると歯止めが利かないんだよな。修はその許せないことを知ったんだよ。浩子は修任せ。瑠奈がやったことも、修がやったことも知っていた」

幼稚園時代の田村瑠奈(卒園時のアルバムより)

 制御不能となった瑠奈の恐怖を振り返るのは、小学校時代の同級生だ。

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「小5の時に同じクラスで、ある時、瑠奈の服装を『アニメのキャラみたいだな』と茶化したら、急に筆箱からカッターナイフを持ち出して、追っかけてきて。馬乗りになられて首にカッターを突き付けられたんです。そこで周りの友達が止めに入ってくれたけど、瑠奈は『次言ったら刺すからな』と。本気で刺されると思いました。今でも鮮明に覚えています。

 普段の瑠奈は、独特の世界観を持った子で、物静か。僕は話をする方でしたが、医者のお父さんをリスペクトしてました。でも、我がままなお嬢様タイプで、家では天下を取っているんだろうなと感じていました」

田村家の浴室でAさんの頭部が発見される

 瑠奈が直面した「許せない」トラブルの決着をつけるため、親子は結託して一線を踏み越えていったのだ。3人の役割分担について、前出の捜査関係者はこう解説する。

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「犯行当日、Aさんと待ち合わせてラブホテルに入ったのは瑠奈1人。浴室で無防備なAさんを刺殺し、頭部を切断して持ち去っている。瑠奈はホテルの出入りの際、手袋をしており、室内には指紋が残っていなかった。

 犯行前後、瑠奈を車で送り迎えしたのが父の修。父娘は事件前、近くの量販店でスーツケースやのこぎりなどを購入しており、事前に入念な殺害計画を練っていたことが窺える。そのため、殺害の実行犯ではないが、修は共謀共同正犯と見なした。

 母の浩子は計画段階から把握していたと思われ、殺害後に自宅でAさんの頭部を保管していたことも認識。後日、父娘と同じ容疑で逮捕に踏み切った」

田村瑠奈(小学校の卒業アルバムより)

 Aさんの頭部は、札幌市厚別区にある田村家の2階浴室から見つかったという。

「腐敗が進行しており、歯型から身元を確認した。事前にのこぎりなどを購入していることから、身元特定を遅らせるため、Aさんの殺害後に頭部を切断して持ち去ることも織り込み済だったのだろう」(同前)

浩子は映画愛好家が作成した自主制作映画に、女子大生役で出演

 事件後も、朽ちていく頭部とともに20日余を過ごした3人家族の狂気。最後の1人として逮捕された母の浩子は、修が医大生時代を過ごした旭川市で育った。趣味は絵画。旭川美術館に勤務していた独身時代、地元の映画愛好家が作成した自主制作映画に、女子大生役で出演したこともある。

「お父さんは元公務員で、絵や陶芸が得意な人でした。お母さんは20年以上前に脳溢血で亡くなり、実家にはお父さんが1人で暮らしていたのですが、晩年は娘さんが嫁ぎ先の札幌から車で月に1回くらいのペースで様子を見に来ていました。お父さんも7、8年前に亡くなりましたが、家族思いのいい娘さんでした」(実家近所の住民)

(左)浩子の年賀状(右)田村修のFacebookより

 浩子の父親の元同僚が語る。

「あまり家族のことを話す人ではなかったが、自慢の娘だった。教育大だったかな、しっかりした学校を出ていて。生前、数日家を空ける時がありましたが、『札幌の娘のところに行っていた』と話していました」