東京23区内の大学の定員を抑制する法案が閣議決定された。主な内容は、23区内の大学新設や定員増を10年間認めず、また新規の学部学科の設置も現状の定員内でしか認めないというもの。実質的に新しい領域の研究や教育、人材育成はストップ。地方から首都圏への若者の流出を防ぐためというけれど、学びの自由を奪っては地方創生にはつながらない。世紀の愚策だワ!
日本の教育が世界から取り残されつつある一方で、二〇五一年には現在人間が行っている全ての労働をAIが遂行できるようになる、との予測も。変化の激しい時代の未来を担う人材育成はどうあるべきか。トップ大学がビジョンを掲げ、多様な教育・研究を行い、互いに切磋琢磨してこそ、日本の大学全体の底上げが図れる。安易に「地方対東京」という構図を作り出せば、地方創生どころか、国全体の研究力・開発力の停滞や地盤沈下につながりかねない。逆効果よ!
もちろん、地方大学の活性化は極めて大事。でも、留学など選択肢が多様になりつつある昨今、若者が魅力を感じる教育・研究を行わなければ、地方大にとっても根本的な課題解決にはならないわ。
また、学んだことを活かせる就職先が少ないのも、人材流出の大きな要因。こうした課題や社会の変化を捉え、独自のカリキュラムを組んでいる大学や、地域と連携して特色ある研究・キャリアサポートを行っている大学など、魅力的な実践で学生を獲得している地方大はたくさんある。小手先の施策ではなく、長い目で日本の未来を支える取り組みこそ評価・支援すべきよ。
そもそも、「ここで学びたい」という学生の主体性なくして、大学の活性化も地方創生も望めない。日本全体が発展していくために、「学びたいところで、学びたいことを学ぶ」という若者の権利はしっかり保障しなくてはいけないワ。