イラスト 中村紋子
イラスト 中村紋子

 祝、金メダル! 右足首が完治しないのに、二連覇を成し遂げた羽生選手はもはや神話! ボク、男子SPの日、ゆづファンの聖地、神戸の弓弦羽(ゆづるは)神社に参拝したの。投げ入れた四枚のお賽銭が見事に回転するのを見て、4回転成功を確信したわ。

 平昌五輪では女子500メートルでソチの雪辱を果たし金メダルを獲得した小平奈緒選手をはじめ、スピードスケートの大躍進が目立つわね。就職先が決まらず困っていた彼女を雇用、資金援助し競技継続を支えた地元・長野の相澤病院の姿勢は素晴らしい。でも、選手の個人的努力に頼るようじゃ、ダメね。

 高木姉妹を筆頭とする女子団体パシュートの金メダル奪取の陰には、ソチ五輪後に発足したナショナルチームの役割が大きい。これまで実業団に頼りがちだったのを日本スケート連盟がナショナルチームを結成、選手同士が切磋琢磨できる環境を整備した。オランダからコーチを招き、データに基づく厳格な指導の元、個人もチームも力が底上げされたのね。近年活躍目覚ましい卓球もナショナルチームでの強化が功を奏している。

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 夏季五輪競技は東京のナショナルトレーニングセンターで、様々な種目の選手同士が刺激を与え合い、トレーニング法を共有し、医療サポートも受けられる。一方、冬季競技のナショナルトレーニングセンターは日本にない。冬季競技は海外遠征が多いなど活動資金が嵩むのに、夏季五輪競技と比較してマイナーとみなされ、日本オリンピック委員会からの予算も見劣りする。企業による資金援助が一般的な欧米と比べ、日本はメダル候補の選手ですら、経済的理由から競技継続が崖っぷち。道半ばで夢を諦めざるを得なかった多くの若者がいるのも事実。今回の五輪を見て憧れる子供たちが、夢を実現出来るように。国も社会も支えていきたいわね。