〈解説〉

 2021年2月1日、ミャンマーで軍事クーデターが発生し、市民の自由と平穏な暮らしが突然奪われた。ジャーナリストや映画制作者の逮捕も相次いでいる。そんな厳しい状況下で、匿名の若手ミャンマー人監督10人が“ミャンマー・フィルム・コレクティブ”を結成。自らが見聞きした実話を元とすること、関わる人すべての身元を明かさないことをドグマ(ルール)とした短編映画を持ち寄った。

 さらに、一般市民によってSNSに投稿された、権力に立ち向かう運動家たちや警察の銃弾に倒れる市民の姿などを映した記録映像をシームレスに繋ぐ。

 フィクションとドキュメンタリーを行き来して、圧政下のミャンマー市民の声を伝える作品。第72回ベルリン国際映画祭パノラマ部門で、ドキュメンタリー賞を含む3賞を受賞。70分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆圧政のもとで民衆は極力、顔をかくしての抵抗。それが映像的に妙な効果をもたらしている。70分という短さだが必見。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆映像を残すことさえ難しいのだろうが、記録映像にフィクション映像を接ぎ木する手法にはやはり無理がある。息苦しい。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆カーテンの隙間から見える光景に身の毛がよだつ。息を潜める日常を、惨い映像は抑えて伝える切実さに祈りを感じる。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆軍の圧政を受け現場で乱立するマルチスレッドの物語。市民各々が一人称で個別の声と表現を発信。抵抗のパワーが漲る。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆架空の日常と軍事政権下とのシュールな対照。悲劇が沁み込んだ視覚のアプローチ、作り手の覆面の意味を思考させる。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©The Myanmar Film Collective

『ミャンマー・ダイアリーズ』(オランダ、ミャンマー、ノルウェー)
8月5日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
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