「C氏は平日9時から18時まで議員会館で勤務していました。2021年10月の衆院選の時は毎日のように千葉まで通い、秋本氏の指示を受けて約300社を訪問。秋本氏から直接、『ただ支援者回っても意味ねぇんだ、金か人、どっちかとってこいよ』などと怒鳴られたこともあったと聞きました」
事務所が人件費を負担しないよう、政策秘書の給与を公費で分け合う形に
小林氏とC氏が締結した「業務委託契約書」には、次のように記されていた。
〈甲は、乙に対し、衆議院秋本真利の政策秘書業務に付随する一切のサポート業務を委託し、乙はこれを受託する〉
〈甲〉は小林氏、〈乙〉は実質的にC氏だ。「この形式にこだわったのは小林氏」(C氏に相談を受けていた知人)だという。契約書の本文はこう続く。
〈甲は、乙に対し、本業務を委託する報酬として月額25万円を支払う〉
この契約書が示すのは、小林氏が一旦、国から政策秘書として給与の手取り額約50万円を受け取り、その約50万円の中から政策秘書のサポート業務という名目で、C氏が私設秘書としての給与25万円を受け取るという金銭の流れだ。秋本氏の側から見れば、本来、自身が支払うべき私設秘書の給与を、政策秘書に肩代わりさせていたという構図になる。なぜ、こんな異例のスキームを取っているのか。
「小林氏の前任の政策秘書も女性弁護士でした。秋本氏としては、弁護士を政策秘書に雇えば、顧問料を負担せずに法律家を傍における。ただ、小林氏は本業が多忙で国会事務所にはほとんど出勤できず、月1回程度の時もある。日常業務に差し障りがないよう、代わりの常勤秘書が必要でした。しかし新たに秘書を雇用すると、秋本事務所が人件費を負担しないといけない。そこで公費である政策秘書の給与を分け合う形になったのです。小林氏としても、特別職国家公務員としての福利厚生を享受できる。このスキームについては、秋本氏も『(政策秘書給与を)うまく2人で分けて』と了承していました」(前出・C氏から相談を受けた知人)
「そうしたことがあったのは事実です」C氏は事実関係を認める
しかし、政策秘書は3人まで認められる公設秘書の中でも最も厳しい条件が課せられ、代わりに報酬も多額だ。言うまでもなく、その原資は税金である。こうした支払いは認められるのか。永田町法律税務事務所の長谷川裕雅弁護士が指摘する。