――女性も男性も、ファンの人もそうでない人も楽しめるということですね。
赤井 そうです。普段は見せない素の私や、私自身もこれまで知らなかった表情を引き出してもらいました。今の自分のリアルな状態が全部詰まっています。
――タイトルの「GRACIA」に込められた意味は?
赤井 スペイン語で「優美」という意味です。あと、ギリシャ神話の「魅力・美貌・創造力」を司る三美神「Graces(グレイセス)」にも少しかかっています。
また、スペイン語で「ありがとう」を意味する「Gracias(グラシアス)」にもかかっていて、ファンの皆さんへの「10年間ありがとう」というメッセージも込めています。
まだプロレスラーじゃない自分を想像できない
――最後に、11月12日の引退試合までどのように過ごすのかを教えてください。
赤井 今は「プロレスラー・赤井沙希」として、11月12日までどう生きるかを考えながら日々過ごしています。最近は本当に忙しくてやることだらけなんですけど、1時間でも時間が空いたらトレーニングをして。ケガだけはしないようにしていますが、ビビッてほかの試合で何もできなくならないようにしています。
――引退後はどのような活動をしていく予定ですか?
赤井 もともとやっていた芸能活動や、去年始めた美容サロンは続けていきます。
でも、まだプロレスラーじゃない自分を想像できてないですね。そうなることに怖さがあるというか。これまでしんどいことがあったときは、「私はプロレスラーなんだ。だから何があっても大丈夫」と自分を奮い立たせて乗り越えてきたんですけど、それが今後は使えないから、少し不安です。
でもまあ、後のことは後で考えればいいので。今は引退まで全力でプロレスに取り組んで、1試合、1試合を大事にしていきたいと思います。
撮影=杉山秀樹/文藝春秋
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