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日本の常識的な金銭感覚でいろいろなものを測ってしまうと、メイウェザーは完全にハミ出し者になってしまう。だが、アメリカは日本よりもはるかにマーケットがデカい。全米の平均年収は6万ドル(約860万円)。カリフォルニアやニューヨークなどの都心部に行けば、平気で1000万円を超えると聞く。

 その一方でフィリピンでは、平均年収が45万円。「そんなに安いのか」と思ってしまうが、それでも生きていける。

 日本人選手のみで日本人マーケットのみに向けてコンテンツをつくってもそれなりに食べていけるはずだ。

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 でも私は、小さな規模で満足したくはない。もう一度メイド・イン・ジャパンで、日本から世界にチャレンジしたいのだ。大志を抱いてものをつくりたい。

 PRIDE時代には、世界中のファンがPRIDEを観ているということを経験している。だからこそもう一度、そういう世界を、そういうコンテンツをつくりたいと思っている。

金の切れ目が縁の切れ目

 先ほど「メイウェザーは日本が好きだから、お金じゃない」と言ったが、一方で彼から信用を勝ち得ているのはお金の力だ。メイウェザーに限らず、外国人ははっきりしていて、誰からお金をもらっているのかを理解しており、その瞬間はリスペクトがある。

 ただし、お金が払えなくなったとしたら、その時はあっという間に手のひらを返すだろう。金の切れ目が縁の切れ目、ということだ。

 もちろんお金のことだけではない。自分が最高に輝ける舞台をつくりだしてくれるのかどうか、というところも大切にしている。

 メイウェザーの場合、天心戦ではファイトマネーを約束通りに支払ったことはもちろん、集客や演出、周辺のホスピタリティーも含めて、とても満足している様子だった。我々のチームのプロフェッショナルとしての力量を、きちんと理解してくれているように思う。

2018年に開催された那須川天心VSメイウェザー戦 ©getty

 RIZIN2戦目となった朝倉未来戦を実現できたのは、天心戦で築いた信用があったからだ。

 今、メイウェザーとは、プレーヤーとしてリングに上がってもらう以外に、次世代のメイウェザーや朝倉未来、天心をいかにつくりだしていくかについても話をしている。新たな展開がこれから楽しみだ。