文春オンライン

設楽悠太は絶対に日本新を出すと「予言」できたこれだけの理由

EKIDEN Newsの細かすぎる陸上ガイド

note

設楽悠太のツイッターアイコンに隠された謎

西本 これは日本人がダメなわけじゃなくて、世界が速すぎるんだということに気づいて、愕然としたんですよ。これ無理じゃん……って。一緒に連れて行ったうちの息子でさえも無言でした(苦笑)。

 まずは、ここで設楽悠太は「世界との距離」を知ったのではないかと。そして、ふたつ目のポイントは設楽悠太のツイッターアイコンです。

ポール えーっと。これ(https://twitter.com/honda_1218)ですね。そういえば、随分前から、設楽悠太のアイコンはこれですね。

ADVERTISEMENT

設楽悠太のアイコン

西本 ぼくらは見慣れたアイコンだけど、気になりません?

マニア 確かに! 金メダルの大迫傑がセンターで銀メダルの村山紘太、設楽悠太は右端で銅メダルをかけている写真ですね。なぜ、自分が右端に映っている写真をアイコンにしてるんですかね。普通、日本新記録を出したりしたら、ゴールシーンなどのアイコンにかえそうなものですよね。

西本 これは2016年名古屋で行われた日本選手権10000mの表彰台です。

2016年日本選手権、10000mの表彰台。右から設楽悠太、大迫傑、村山紘太 ©西本武司

 ぼくが撮った写真ですから、間違いありません。マニアさん、この時のこと覚えてる?

マニア もちろんです! 残り6周で設楽悠太がロングスパート。そこについていけたのは村山紘太と大迫傑だけ。残り2周で大迫がさらにスパートをかけて先頭へ。設楽悠太は2位を確保したと思ったら、ラスト1周、村山紘太がとてつもないスパートで設楽を抜き去り2位に。最初に仕掛けた設楽悠太が最終的に3位に入ったレースですね。
http://www.jaaf.or.jp/jch/100/sokuho/m_f_10000.html

2016年の日本選手権 ©西本武司

トラックからロードへの転換

西本 そう。このレースです。この経験で2020年の東京オリンピックに出られたとしても、トラック競技では世界だけでなく、大迫や村山とも戦うことになる。つまり、このレースで大迫のスピード、村山のスパートを間近に体験した設楽はトラックで世界を目指すことをやめ、ハイスピードで押していくロードに活路を見出したのではないかと思うんです。そこでトラックから、ロードへ。フルマラソンへのシフトチェンジをしたと。

マニア 2017年の東京マラソンですね。

西本 そう、昨年の東京マラソン出場を皮切りに、突然ロードを中心に走り始めるんですよ。

ポール 確かにそうですね。北京世界陸上以前は、海外遠征も含めてトラックレースばかり出てたけど、2016年からは積極的にロードのレースに出たりして、流れが変わってますね。

西本 2020年までに、トラックで1000mの差を埋めることはできない。これはもう種目を変えなきゃ、と悟ったんだと思うんです。設楽が変わったのはその後からです。

マニア 明らかに雰囲気が変わりましたよね。