フジテレビの深夜番組『オールナイトフジコ』にレギュラー出演中の現役大学生・出町杏奈が、男性誌『週刊プレイボーイ』のグラビアで貝殻ビキニを披露した。貝殻ビキニを着ての撮影はそれ以前にも、グラビアアイドルの鈴木ふみ奈らが挑戦しているが、元祖はやはりこの人、武田久美子である。
貝殻ビキニ誕生の瞬間
それは1989年、写真集『My Dear STEPHANIE』(渡辺達生撮影)で披露された。武田が21歳のときである。それまでに雑誌のグラビアや写真集でさまざまな水着を着ており、笹の葉で編んだふんどし姿になったこともある。このときも、ハワイでの撮影前日、和食屋でスタッフたちと水着に代わるものはないかと話していた。
水着と同じ面積で胸と下腹部を隠すものは何か……と考えていると、当時所属していた会社の社長が、「これはどうかな」と言って、食事に出てきたホタテの貝殻を指した。そこで急遽、スタイリストが貝殻に穴を開けて紐を通し、ちょっとおしゃれに見えるような感じでつくってくれた(「文春オンライン」2022年1月20日配信)。ただし、カメラマンの渡辺達生の証言によれば、貝殻は彼の助手がワイキキの土産物屋で買ってきて、ドリルで穴を開けてつくったという(『週刊文春』2013年8月15・22日号)。
翌日の撮影は風が強く、貝殻ビキニがパカパカ揺れた。だが、彼女は手で押さえるのもかっこ悪いと、そのままにしていたとか。まだヘア解禁前で、使えない写真もかなりあったようだ。
写真集を出してからの反響は大きく、貝殻ビキニは武田久美子の代名詞となった。後年、武田が六本木のレストラン「キャンティ」で偶然、松任谷由実と会って、思わず、持っていたシャネルの財布にサインを求めたところ、ユーミンは「貝殻水着の久美子ちゃんへ」と書いてくれたという(武田久美子『武田久美子という生き方』小学館、2004年)。
6歳でモデルクラブに入会
きょう8月12日、55歳の誕生日を迎えた武田の芸歴は長い。6歳でモデルクラブに入り、ちびっこモデルとして活動を始めたというから半世紀近くにおよぶ。小学生のときには、雑誌やCM、ファッションショーと引っ張りだこで、多忙をきわめた。メイクをすると中学生以上に見えたので、よく駅の改札で駅員に止められたらしい。