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全体を見渡す源田とマイペースな山田

 内野手を預かる立場として、今回は個性的な選手たちが、それぞれのいいところを発揮して、結果を出してくれたと思っています。

 取り立ててリーダー的存在というのはいないのですが、試合中は源田が内野の要として、守備位置の情報なんかを把握していてくれて、指示を出してくれていました。ピッチャーに声をかけたりするのも率先してやってくれました。ゲームでの守備キャプテンという感じで、僕としてもすごく信頼して任せていました。

 骨折というアクシデントはありましたが、出るんだという気迫を持ち続けていたので、逆に周りの選手たちのほうが、源田を外さないでほしいという気持ちでまとまっていたように感じました。

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 闘争心という部分でも、全体を見渡すという意味でも内野の精神的支柱になっていたのは間違いありません。彼に若い岡本や村上がついていくような感じでしたから。 

 それと対照的に……と言ってしまうとなんですが(笑)、そういうところの一切ない山田哲人は、究極のマイペースで、自分のやることを淡々とやっていました。そういう存在もまたチームには不可欠です。岡本にも似たところがあるのですが、スタメンでも控えでもあまり感情の起伏がなく、淡々としています。

 ただそんな山田も、決勝アメリカ戦の9回に、併殺打になったセカンドゴロのときは、「やばい、きた、きた、きた」と体がガチガチになったのだそうです。よくミスせずにゲッツーが取れました。

 山川は本塁打王に3度輝く日本を代表する長距離砲ですが、侍ジャパンでは代打要員になることが多く、戸惑う部分があったと思います。メキシコ戦の犠牲フライなど、チームのため、その役割に徹してくれました。

 牧は明るくて、大きな声でいいムードをつくってくれましたよね。出場という面ではいろいろと思うこともあったと思いますが、いつもやれることを精いっぱいやってくれていました。

 中野もそうですよね。こっちは代走からショートをやってもらったり、セカンドもやってもらったり、勝手にお願いしちゃっていますけど、大変な部分は多かったと思います。源田が出られないとき、しっかり勝利に貢献していましたから。すごく大きな働きだったと思います。

外野では近藤が全体を見渡す役割

 外野ではセンターをヌートバーが守っていたので、ライトを守る近藤が守備位置や守備の連係では声を掛けていたようです。やはりキャッチャーをやっていたこともあって、全体を見渡せるタイプなのだと思います。

 余談ですが、先にも述べたように栗山監督はキャッチャーへの代打を積極的に使っていく監督ですので、ビハインドの展開になって代打が必要なら、キャッチャーを出し切ることに躊躇しません。

栗山英樹監督 ©文藝春秋

 実際にそういうことはなくてよかったのですが、もしもキャッチャーを使い切って、最後のキャッチャーにアクシデントが発生したら、捕手経験者の近藤に白羽の矢が立っただろうと思います。