こうした芯の強い一面が、のちにドラマで演じた役にも反映されているのだろう。2004年には連続ドラマ初主演となる『光とともに…~自閉症児を抱えて~』で母親役を好演し、話題を集めた。
シャワーシーンのために肉体改造
さらに翌2005年の『anego[アネゴ]』に続き、2006年には『アンフェア』、2007年には『ハケンの品格』と、あいついでドラマで主演を務める。とりわけ『アンフェア』で演じた警視庁の敏腕刑事・雪平夏見、『ハケンの品格』で演じたスーパー派遣社員の大前春子はいずれも当たり役となり、シリーズ化された。
『アンフェア』は映画化もされ、2作目の『アンフェア the answer』(2011年)からは同シリーズで脚本を担当してきた佐藤嗣麻子が監督となった。篠原にとって佐藤は多くの言葉を費やさなくてもすぐに意思疎通が図れる相手であり、直感で何かについて提案しても、すぐに理解して形にしてくれたという。
映画の3作目でシリーズの締めくくりとなった『アンフェア the end』(2015年)では、撮影中に手ごたえを感じつつも、そのうちに観客の目線で映画をもっと楽しむためには何かが足りないような気がしてきた。何だろうと考えてみて、ふと「濡れ場?」とひらめく。そこで台本にはなかったものの、シャワーシーンを佐藤に提案すると、ストーリーを豊かに膨らませてくれた。さらに彼女のほうでも役づくりを徹底した。
《シャワーシーンを撮るならば、しなやかなだけの身体では雪平夏見らしくないと思いました。かわいいお尻というより、筋肉質で強そうなお尻だろうなとイメージして。撮影に向けてトレーニングもしました》(『婦人公論』2015年9月8日号)
撮影当日、鍛えぬいた体を披露
撮影当日、その成果を佐藤に見せるべく、楽屋の蛍光灯の下で裸になった。佐藤はいろんな角度から眺めながら、篠原のまわりを一周すると、「うん、わかった」とだけ言って部屋を出ていったという。《女性同士だからこその、息の合い方ですね》と篠原は語る(前掲)。