自分がマラウイにいた時に「チャイナ」と言われたり、現地語でこちらにはわからない言葉でいろいろ言われたこともあって。その時に一緒にいたリオンが、「ごめんね、マラウイの人があんなことを言って」と僕を気遣ってくれることがありました。リオンには、「日本に来たら、今度は逆にリオンが何か言われることがあるかもしれない」という話はしていましたね。
「むしろ子どもが苦手だった」
――ジェニーさんの連れ子であり、まったく文化の異なる者同士ということで、リオンくんとの親子関係の構築はむずかしくなかったですか。
コガ 私はまったく子煩悩なタイプでもなく、むしろ子どもが苦手だったんです。甥っ子が2人いるんですけど、これまでまったく遊んでやれなくて。というか、どうやって遊ぶのかも分からなかったんです。
なので最初はどうしようかと思っていろいろ子育ての本も読んだんですけど、なんというか、本当にラッキーだったのは、リオンが無邪気でとてもいい子だったので、この子だったらなんとかなるかもしれない、みたいな感じでした(笑)。
マラウイにいると「育った環境が違うからしょうがないよね」と思える
――前回、マラウイでは地域で子育てする文化があるというお話がありました。日本とマラウイでは、どちらが子育てしやすいですか。
コガ マラウイでは、私とジェニーが外出して遅くなる時は隣の家に子どもを預かってもらっていましたし、リオンが外に遊びに行っても、誰かの親が必ずそばについていてくれました。たぶん、昔の日本もそうでしたよね。豊かになる分、なにか失うものもあるのかもしれませんね。
――コガさんは、マラウイの方の豊かさに惹かれたということでしょうか。
コガ 医療も教育も食べ物もWi-Fi環境も、日本は本当に素晴らしいです。でも、僕が海外に目が向いた時期は自分が他人に不寛容になっていて、そんな自分がすごく嫌でした。
そんな時にマラウイで過ごしてみたら、他人に対して「育った環境が違うからしょうがないよね」と思えたし、物がなくても身近な人と助け合って生きるほうが、自分にとってはストレスが少なかったんです。
とはいえ、隣の芝生は青く見えるというか、ないものねだりしちゃう自分もいて、難しいんですけどね(笑)。
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