文春オンライン

「若い頃は性欲という“悪魔”にも悩まされたけど…」片岡鶴太郎(68)が「老いるっていいな」と思えるようになった理由

片岡鶴太郎インタビュー #1

2023/08/26
note

鶴太郎 人様がどう思うかは全然関係ないですね。自分がやりたいことに集中しちゃってるから。ヨガを始めたときも「何やってるんだよ」「1日5~6時間もやるなんて無駄だ」とか、いろいろ言われてたかもしれないけど、それはその人が思ったことであって、私がそれに対して怒りを覚えたりすることは全くないです。

「ネットに悪口を書く人はかわいそう」

――たぶん、若い人ほどネット上の批判的な意見を見て傷ついたりすることも多いと思うんですが、鶴太郎さんは一切気にされないんですね。

鶴太郎 僕は「5ちゃんねる」とか、そういうのも一回も見たことないし、全然気にならないですよ。言いたい人には勝手に言わせとけ、って。

ADVERTISEMENT

 でも、なんていうか、そういうところに悪口を書く自分の愚かさに気付いてないことがかわいそうだな、っていうのはあります。そんな時間があったらもっと自分のために費やせばいいのに、って思っちゃってますから。

「今ある姿が今の私にとって一番自然な姿」 ©細田忠/文藝春秋

――鶴太郎さんがバラエティ番組によく出られていた頃は、明るく下ネタを言ったりリアクション芸のようなことをやったりしていましたが、そこから芸風をガラッと変えたのは、そのキャラクターをずっと続けるのには違和感があったということなんでしょうか?

鶴太郎 若いときは私の中であれが一番やりたかったし、面白いと思ってやっていたことだったんですね。でも、歳を重ねると嗜好も変わってくるじゃないですか。食べるものや服のセンスが変わるのと一緒ですよね。

 もうああいうことはできないし、今ある姿が今の私にとって一番自然な姿なんです。川の水がどんどん流れていくのと一緒。あのときの私にはもう私も会えないし、昨日の私とも会えないし。だから、昔のことや過去のことはもう何もない。これからのことしか考えてないです。

――新刊を読むと、鶴太郎さんがご自分の興味の赴くままに好きなことを見つけて、そこに向き合って生きているのが伝わってくるんですが、普通の人がご自分の好きなことを新しく見つけるにはどうすれば良いのでしょうか?