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「変人と思われてもいい」マッチものまね、ボクシング、絵画、ヨガ…万能型芸人・片岡鶴太郎(67)が『ひょうきん族』で掴んだ“人生の極意”

片岡鶴太郎さんインタビュー#2

genre : エンタメ, 芸能

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「丘鶴太郎」として地方巡業のトランポリンを飛んでいた青年が、全国区のテレビタレント「片岡鶴太郎」に化けたのは80年代前半のこと。

 最初の武器はモノマネだった。マッチ、浦部粂子、小森和子、村西とおる、具志堅用高、タコ八郎、坂上二郎、小林旭、ぴよこちゃん……、独自の視点で特徴を捉えてキャラクターに近づく努力は、その後の芸能人生を切り開く素地になったという。

「俺はものすごく不器用で下手」と語る片岡鶴太郎が、モノマネ時代に得たものとは。(全3回の2回目/1回目から読む)

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©文藝春秋 撮影/松本輝一

絵もヨガも「行き当たりばったり」で始めた

──鶴太郎さんは80年代にブレイク以降、ずっとマルチに活躍されていますが、一体どこを目指しているのか?というのが気になりまして。たとえばボクシングや絵画、ヨガなど、何かを始めるときは、「プロのレベルに届くまで頑張ろう」など考えるんですか?

片岡 ボクシングは昔からやりたかったのと、プロライセンス取得には年齢制限があるので、始める時に「プロを目指す!」と宣言しました。

 でもそれ以外は、言ってみれば“出来心”的なもの。行き当たりばったりで、動物的な嗅覚だけでやっている、というのが本当のところですね。

©文藝春秋 撮影/松本輝一

──絵やヨガも?

片岡 そうです。絵は、たまたま見かけた椿の花が本当に綺麗でね。「この椿を描けたら、人生でこんなに素敵で豊かなことはないな」と思って。個展を開きたいとか、タレントとして幅を広げようという気持ちは一切なかったです。

自分の中で《反復》が成功の原動力になっている

──ヨガを始めたのは、瞑想に興味があったからとか?

片岡 そう。私が長年尊敬している人物、たとえば仏陀や空海、ビートルズ、スティング、クリント・イーストウッドなどは、みんな瞑想をやっていて。「瞑想はそんなにいいのか? これは自分の体で実験しないとわからないな」と思っていたところ、俳優の秋野太作さんに先生をご紹介いただいたんです。

©文藝春秋 撮影/松本輝一

──なるほど。ただ、絵やヨガは出来心で始めたといえ、どちらも素人の域を超えていますよね。

片岡 これはね、私の芸能人生はモノマネから始まったじゃないですか。だから自分の中で、《反復》が成功の原動力になっているんですよね。何をするにしても、反復以外にない。